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映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

 映画『沖縄スパイ戦史』兄貴は軍服をいつまで着せられているのだろうか

2023-01-01 | 映画感想
今ネトフリで配信中の『First Love 初恋』にハマった方は是非コチラも。
主演の佐藤健が自衛隊員でしたし自衛隊が協力して戦闘機や色々カッコいい映像見れました。
自衛隊は国民を守るって言ってました。
是非この映画を観てね。

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沖縄戦については色々映画見てきたけど
この映画は1番辛そうでハードル高くて観ていませんでした。
『生きろ 島田叡ー戦中最後の沖縄県知事』を観た流れで今しかないと思ってアマプラ再生!

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日本には現状たっくさん問題ありますが
まずはこの『沖縄スパイ戦史』が劇映画になっていないことが問題。
エンタメが豊かな国であれば、賛否はあれど、この重要な歴史的事実は100パー劇映画になってるはず。
だってドキュメンタリーの方が誰が何したかわかっちゃうからハードル高いはずで、
ノンフィクションエンタメ映画の方が作りやすいはず。
なのにそれを許さない日本社会。
そしてそれができない日本エンタメ界もほんとイマイチ。。

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ポル・ポトと同じことを沖縄県民に強いていたし
そのあと本土でも同じことをする計画があったことが文書に残ってるとのことなので、沖縄だけの話では全然ない。。
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10代半ばの少年兵たちが爆弾を背負って戦車に突っ込んで爆死するという任務に失敗して米軍に銃殺された姿の写真とかが出てくるので、
なかなか観るだけでも打撃を受けます。。
ただ、史実だし
つい数十年前のことだし
それが全然ほぼ何も変わらず沖縄を苦しめている
ということを知っている大人が1人でも多くいた方がいいと思う。

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以下、観ながらメモったこと

護郷隊の歌

赤き心で 断じて為せば
骨も砕けよ 肉また散れよ
君捧げて 微笑む男児

陸軍中野学校の歌でもある。
「君」は天皇陛下のこと。
天皇陛下のために骨を砕いて肉を散らせて微笑む男児が「善き日本人」であるという歌。

以下は護郷隊の一員で15歳で戦死した久高良夫さんの弟 久高栄一さんの歌。


護郷ぬ戦 勤みんすまちゃしが
(護郷隊の務めは 済んだはずなのに)

兄貴ぬ軍服や 何時までぃ着しらりが
(兄貴は軍服を いつまで着せられているのだろうか)

雨風に打ってぃ 白骨になてぃん
(雨風にさらされ白骨になっても)

捜てぃ帰すしどぅ 国ぬ責務やしが
(野山を探して家に返すまでが 国の務めではないのか)

切り込み隊員戦車爆破隊
爆弾を背負って戦車に突撃する少年兵
逃げる時間はない 

「泣くにも泣けない」
「生まれなければ良かった」
「生まれなければ親に心配かけることはなかった」
「生まれなかったと思ったらいい」

「こちらは銃でパンパンと撃つ」
「米軍は機関銃でデレレレレと撃ってくる」
「薬莢が山のように積んであった」
「これは負けると思った」

米軍が来れないように橋を壊して回った
でも米軍はすぐに鉄パイプで橋を作って渡ってきた

むしろ北部に避難する住民が橋を渡れなくなり、荷物を捨てざるをえなくて大量の餓死に繋がった

「沖縄の子供を装った兵士がいる」と米軍が気付いたのは1945年5月。

沖縄の方言は禁止された。
日本兵には方言がわからないから秘密の話をして米軍のスパイと疑われるから。

沖縄の住民を強制的に戦闘に参加させたくせに
そのことで軍の機密情報を知った住民が米軍に漏らすのではないかと日本軍は疑心暗鬼になった。

スパイの疑いをかけられた住民は殺された。

日本軍の秘密基地で働かされた少女も基地の場所を知ったと言うことで殺されそうになった。

↑やってることめちゃくちゃ。。

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僕は今東京都の中野区に住んでます。
陸軍中野学校があった中野。
(中野サンプラザとかのあたりに陸軍中野学校があった)
陸軍中野学校では秘密戦に関する訓練を行なってスパイを養成していた。
『ONODA 一万夜を越えて』の小野田少尉の出身校。
自分が住んでいるめっちゃ近くでスパイが養成されて、
沖縄での住民虐殺や戦争マラリアや
小野田少尉によるフィリピン民間人への件など
とんでもないことが引き起こされていて
「映画を見れば知れること」くらいを知らないわけにはいかないという思いがあります。


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