映画感想(ネタバレもあったり)

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ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた(2017年製作の映画) Stronger

2018-12-26 | 映画感想
ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~(字幕版)


2013年のボストンマラソンの爆弾テロ事件の被害を受けて、両足を失った実在の男性をジェイク・ギレンホールが演じる。

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彼が爆弾犯を目撃していたことで犯人は速攻で逮捕される。
両足を失ったことと犯人逮捕に活躍したことで、
彼は「ボストンストロング(ボストンは負けない!)」の号令のもと英雄扱いされていく。

もともと仕事にも恋人にもまじめに取り組まない、なかなかのグズ男。
彼の母も自尊心を持てないアル中。

彼も周囲の英雄扱いに当初はノリノリだけど次第に違和感を感じていく。

が、母や親戚たちは自分たちの自慢のために彼の英雄状態を望み続けるが。。


という流れ。


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とくに母親が問題アリアリで辛い。。

僕はこういう母親像が元素レベルで苦手なので、きつかった。。


テロを利用と言ったら言葉が悪いけど、息子が英雄になったことで注目されたり有名人に会えたりすることを期待してる。

息子が褒められれば育てた自分にもスポット当たるからね。

もう、、こういうのは本当にキツイ。。


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しかし、実際のテロ事件を扱った映画でこの視点は新しいと思いました。

不安な状況で英雄を待ち望む市民を描いて、
人はそうそう英雄になれないよ、というひっくり返りしを伝える。

で、さらに、
人は各々の場面場面で英雄になれるんだよ、というさらなるひっくり返りしメッセージ。

誰だっていつだって考えられない地獄に落とされることがある。
その時どう対応するかで、自分もほかの誰かに救われるだろう、と。

それは、誰の期待に応えるわけでもない、対テロのためでもない、ただただ英雄なんだよ。

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爆破の後の生々しいゴア描写もあったりして、誠実な作りの映画だと感じましたよ。

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