先日、久し振りに実家に戻りました。
17歳になる愛犬、ぷうに会うためです。
このところ、ずっと具合が悪いと聞いていたので
命があるうちに会っておこうと思ったのでした。
覚悟はしていたのですが、ぷうは予想以上にボロボロになっていました。
ふっくらとしていた面影は失われ、骨と皮だけになって寝ていました。
体重は元気だったころの半分以下になってしまったそうです。
ぷうと思い出の写真を撮ろうと思っていましたが
とてもそんな気にはなれませんでした。
そんなぷうですが、ときどき、足をバタバタさせて起き上がろうとします。
父はぷうを日の当たる屋外に連れていき、
ヨロヨロと歩くぷうを支えて散歩をさせようとします。
街行く人は、骨と皮だけになった生き物が路上で震えているのを見て
目を丸くしています。
私も、こんな動物が道を歩いているのは見たことがないと思いました。
ぷうを見世物にしたくない、すぐに人の目につかないところに連れていきたい、
そんな思いでいっぱいになりました。
でも、一緒に見ていた夫は、別の感想を持ったそうです。
生きようとしている。
自分の足で、歩こうとしている。
自分はまだ生きるぞ!という、強い意志を感じたそうです。
確かにぷうは、震えながらも、一歩一歩、歩こうとしていました。
父はその思いを受け止めてあげていたのだと思います。
人からどう見られるかは気にせずに。
残念ですが、ぷうが虹の橋を渡る日は、そう遠くないでしょう。
生後1か月で我が家に来て、家族みんなにかわいがられたぷう。
最期まで大事に扱ってもらえたぷう。
本当はずっと一緒にいたい。
ごめんね、ぷう。それができなくて。
離れていても、愛しているよ。
心はすぐそばにいるからね。
心はずっと、ぷうのそばにいるからね。