ケンミジンコのうた

平和な日々の暮らしを綴った日記です

フリースクール

2020-10-01 16:07:04 | 仕事
先日、縁あって地元のとあるフリースクールを見学する機会がありました。フリースクールとは、何らかの理由で登校できなくなった子供達が学校の代わりに通う場所です。

まず職員室を訪問し、先生方に挨拶をしたのですが、とても親しみやすい穏やかな先生方で、私の緊張は程よくほぐれました。私は今まで二つの小学校で働いたことがあるのですが、ダントツの居心地の良さでした。以前の先生方は、とてもパワーのある方々で、大人しい私は気圧されていたのですが、ここの先生方はエネルギーレベル(?)が自分に近く、自然体でいることができました。

そしてドキドキしながら教室へ…ある程度、予想はしていたのですが、不登校になる子供達ということもあり、やはりエネルギーレベルが私に近く、私はリラックスして溶け込むことができました。

とはいえ私は大人しい性格のため、すぐに子供達の中に溶け込むことはなく、笑顔だけど口をきかない不思議なおばさんのオブジェと化しておりました。私は教室の空気になっているつもりでした。

そんなこんなで午後になり、休み時間に子供達が卓球をするのを私は近くでぼんやり見ていたのですが、ふいに子供が「先生(私か?)も一緒にやろうよ!」と声をかけてきました。私は驚き、そして喜んで参加しました。

普段、運動をしない私が張り切って体を動かしたこともあり、私は足を滑らせ、開始早々、私は派手にひっくり返ってしまいました。「先生大丈夫?」と口々に心配する子供達。子供達に誘われ、心配され、気遣ってもらうことは想定外の展開だったため、私は嬉しくて目頭が熱くなりました。私はそっとトイレに移動し、嬉し涙をこっそりハンカチで拭き取りました。

そのとき私の頭をよぎったのは、目的が定まらず、根無し草のように流されている自分でも、知らず知らずのうちに自分に合った場所に行き着くのではないかという明るい予感でした。もともと私が小学校で働こうと思ったのは、エネルギー溢れる、荒ぶる子供達の相手をするためではなく、どちらかというと繊細で傷つきやすい、昔の自分のような子供に寄り添いたいと思う気持ちがあったからでした。そう思うと、偶然の巡り合わせのようでいて、実はこの場所に私は呼ばれたのかもしれないと思いました。

思いがけず実りの多い日になったので、ここに記しておこうと思いました。


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