私がカウンセラーになった理由は、わりと単純でして、
一対一で、人と深い話をすることで
人とつながることを望んでいたからでした。
それで寂しさを紛らわせることができる、と思っていたんです。
でも、違いました。
カウンセラーは、相談者の鏡として、
相談者が自分の考えを整理する道具になります。
相談者は、カウンセラーを使って、
自分の内面を覗き込んでいきます。
興味があるのは自分自身であって、
決して、カウンセラーの私には興味を持たないのです。
自分語りを延々と続けるだけなのです。
そこでは、私はただの道具なのです。
寂しさが紛れることはありませんでした。
カウンセリングという仕事とは別のところで、
私は今まで通り、人とのつながりを求めていくほかないようです。
その営為は、仕事が何であれ、変わりがなかった。