「葬送のフリーレン」を毎回、泣きながら見ている。
私が特に泣けるのは、
フリーレンを愛していたヒンメルについて
「興味を持たず、知ろうともしなかった」ことを
彼の死後にようやく後悔したところだ。
どうしてもカウンセリングをしている自分に重ねて見てしまう。
私は一生懸命に学生さんの話を聞く。
でも学生さんのほとんどは自分の話にしか興味がなく
自分の話を聞いている相手に興味がない。
知ろうともしない。
私の名前を知らないまま、
知ろうともしないまま、
自分の話だけを延々と続けていく。
そしてある日、気まぐれに来なくなる。
仕事とはいえ、私は自分の時間を、
自分が生きる時間を、
もっといえば、自分の生きるエネルギーを、
彼ら、彼女たちに与えている。
愛は見返りを求めないなんて嘘だ。
私は自分を削った分の見返りが欲しい。
関心をもって欲しい。
あなたの話を聞いている人もまた
あなたと同じ血が通っていて
傷付ければ血を流す人間だということに
もう少し気付いてくれたら。
…という思いを封印して
もしかしたらフリーレンがヒンメルを思い出したような日が来るかもしれない、
来ないかもしれないけど、
私はあなたのことを思って話を聞く。