私は自分ではとても真面目な人間だと思っているし、
真面目な人間は一つの物事をやり続けて、途中で放り出したりしないものだと思っているが、
私の仕事人生、振り返ってみると、いずれも数年で放り出してしまって
転職を繰り返すはめに陥っている。
そんな訳で、今回も4月からまた新しい職場で働いているが
いつもいつも、初心者からリセットする繰り返しが、いい加減嫌になってきた。
若い初心者ならいいが、年老いた初心者は色々と痛いのである。
私は真面目なのに、どうして仕事が長続きしないのかなと考えると、
仕事に完璧なやりがいを求めすぎていて、
「ここではないどこか」を探し続けてしまうからだと思った。
どこにもいない「青い鳥」を、探し続けてしまうのだ。
そして私の目から見ると不思議なのだが、
同じ職場で、同じ仕事を何十年も続けている人がいる。
(身近な人でいうと、私の夫がそうだ)
よく飽きないなと思う反面、夫を見ていると、
長年、同じ仕事をしてきただけに、その仕事にはすごく詳しくなっているし、
ある程度、自由な裁量があり、自分の好きなように仕事を進めることができているように見える。
それは、長年、同じ職場で、同じ仕事を続けてきたからこそ、
得られたものだと思う。
「転がる石に苔むさず」と言うが、私もそろそろ転がるのをやめて
苔を生やしてみようかと思う。
なので、今の職場も、色々と不満な点はあるが、
(そしてもう辞めてやれと思ってもいるが)
ちょっと踏ん張ってみて、この先にある風景を見てみようと思う。
その風景は、私がまだ見たことがない風景だと思う。