君は誰?29

2024-12-04 07:32:43 | 日記
階段の踊り場に置いてあった椅子に座ってふざける松田。

「あ、これはなんだろう?」

松田は、椅子の向かい側にある扉に気づいた。

「部屋?」

「部屋の入口にしては、小さいな」

「物置?」

「うん…そうかも知れないけど、こんな中途半端な場所に?」

直樹も推理に加わった。

「そうだよな。物置にしては、階段途中とか、珍しいよな」

松田が取っ手を引っ張る。

「開かない」

「しっ!…なんか音がする…」

正人が扉に近づいて耳をすませた。



君は誰?28

2024-11-30 12:31:52 | 日記
「あれ、なんだろう…。」

松田は、階段の踊り場に懐中電灯の灯りをあてた。

「何?」

「椅子?」

階段途中の踊り場にピアノの椅子のようなベルベットの布張り椅子がポツンと置いてある。

「さっき、あったっけ?」

「さっき上に昇る時は、ここの階段使ってないから」

「なんでこんなところに椅子なんか…」

そう言うと、松田は腰をおろした。

そして、懐中電灯の灯りを顔の下から照らした。

「やめろよ」




君は誰?27

2024-11-26 09:32:15 | 日記
用務員室を出て、再び歩き出した3人。

漆黒の闇も慣れてきたせいか、うっすらと周囲の気配は感じられる。

「もう、出よう」

「入って来たところから出よう」

「懐中電灯も、電池がキレたらマズイよ」

「スマホもあるから、一気に暗くなることはないけどね」

先頭を歩く松田は、懐中電灯をぐるぐると回し、あちこち広範囲に照らしながら歩いた。

「…ん?あれ、何?」

階段の途中の踊場を照らした。

君は誰?26

2024-11-22 08:59:54 | 日記
ゴトッ…。

部屋の奥から音がした。

「何?!」

目をこらすが何も見えない。

ガサガサ…。

「何かいる💦」

松田が声を潜めてつぶやいた。

「ゴキブリ?」

「まさか…、あんな大きい音する?」

「じゃ、ネズミ」

「あ、そうかも…」

「ネズミでもゴキブリでもイヤだなぁ…」

「もう、出よう」

松田は、ネズミでもゴキブリでもイヤだ…と、言いつつ、少しホッとしたような顔をした。

「よし、もう出よう…」

3人は、用務員室を出ることにした。

君は誰?25

2024-11-18 10:53:46 | 日記
松田は、楽しげに宝箱に入っていた謎の鍵をポケットに入れた。

さらに用務員室の探索は続いた。

奥にも部屋がある。

正人は、落書きだらけの引き戸に手をかけた。

「ん…ん…、開かない」

「錆び付いてるるわじゃない?」

松田も一緒に扉に手をかけた。

「本当だ…。せーので開けるよ」

「うん」

「せーの!」

正人と松田は、力ずくで扉を引いた。

ずずず…。

やっと、人ひとり通れるくらいの隙間が開いた。

「え?」

「何?」

「人が居たような気がした」

「まさか、こんか暗闇で…」

「でもさ、人が居たような匂いじゃない?」

「うん…言われてみれば…」

「汗くさい…というか…。」