「時計、動き出しました!と、視聴者からの電話です❗」
MCが興奮して伝える。
私と言えば、父の時計を握りしめて、「動け…、動け…」と、TVの前に正座して、頑張って時計に念を送ってるわりには、うんともすんとも言わない…。
「うちのは、無理だな…」
あきらめて時計を置いた。
「無理だぞ!電池無いからな…」
父が、ビールを飲みながら苦笑している。
「え?電池無いの?そりゃ無理だ!」
だけど、私は、こんな雰囲気が好きで、番組的には、どっぷりハマる理想的な視聴者だったと思います。
…ところが、話しはここで終わりません。
…なんと、翌日、時計は動いていたんです。
まぁ、その場で動き出さず、寝静まった頃にひっそりと動き出すなんて、父の時計らしいです。