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けんちゃん 15

2021-01-26 07:46:50 | 日記
「誘拐?!」

私も息を飲んだ。

けんちゃんが?!

「電話があったんだよ」

「電話?!💦💦」

母は、驚きで呆然としていた。


事件が起きたばかりで、なぜおばちゃんがこんなに詳しいのか…。

けんちゃんちには、電話が無いんです。

(昔は、電話が無い家が多かったので、近所の電話のある家に取り次いでもらっていたんです。トトロのお話の中でもありましたよね)

犯人から電話が来たと言うんです。
おばちゃんちに。

え?なんで?おばちゃんちの電話番号知ってたの?
あ、そうか、犯人はけんちゃんに聞いたのか…。

犯人からの電話の後、おじいちゃんはすぐに警察に電話をして、仕事に出ているけんちゃんのおかあさんに電話をしたので、そばで聞いていた裏のおばちゃんは、詳しい事情を知ってるワケです。

「それが、犯人からでなく、けんが電話して来たらしい…。」

裏のおばちゃんは、さらに早口で話す。

「犯人は声を聞かれると誰だかわかる人なんじゃないかな?用心のために、けんに電話させたんだよ」

おばちゃんの話しはヒートアップする。

「それがさぁ、お金の話しはしないんだってさ。何が目的なのかね💦こわいね💦」

もう、察してますでしょうか?
そうなんです。けんちゃんの自作自演なんです。

おじいちゃんも変だなぁ…と思ったらしいのですが、もしも本物だったら大変なので、警察に電話したとか…。

けんちゃんは、その日、女の子の椅子を引いてしりもちをつかせてしまい。女の子はとりあえず保健室へ。しかし、しりもちのつきどころが悪かったらしく、病院へ。

けんちゃんはかなりマズイ💦と思ったんでしょうね。
とにかくおじいちゃんに叱られたくないからこんな事をしでかしてしまったんです。










けんちゃん 14

2021-01-25 07:50:01 | 日記
お巡りさんが二人、けんちゃんちに入っていく…。

いつも穏やかなお巡りさんが、眼光鋭く、キョロキョロとしている。

何かあったんだろうか…。

けんちゃんちからおじいちゃんが出てきて、お巡りさんを出迎えている。

何かあったんだ…。

買い物を済ませて帰った私は、しばらく気になって仕方がない。

けんちゃんちに、何があったのか…。

何とかして知る方法はないか…、思いを巡らせたが、ご近所とは言え、そんなに交流が無かったので、知る術はない。

明日の朝、何も変わりなくけんちゃんが登校すればいいのだけど…。

すると、何やら我が家の玄関先が騒がしい。

…裏のおばちゃんだ。

世話好きな騒がしいおばちゃんが、我が家にやって来て母親と話しをしているようだ。

「けんちゃんがね!」

けんちゃんの話しだ!

私は、急いでおばちゃんの話しが良く聞こえる場所に行った。

「誘拐だって!」

「誘拐?!」

普段、噂話しが嫌いな母も、声を上げた。

けんちゃん 13

2021-01-24 07:54:25 | 日記
相変わらず「ガンガン」とガードレールを叩いて歩いているけんちゃんの行き先には腕組みをしたおじいちゃんが…。

ところが、けんちゃんは姿を消した。

あれ?

けんちゃん、どこ行った?

帰り道にいくつかの近道の横路があるんです。たぶん、おじいちゃんを避けるために、横路に逸れたんだと思いました。

「ガンガン……」

遠くでガードレールを叩く音がする。


その日、買い物を頼まれて、近くのお米屋さんに向かう時、ちょっと不思議な光景を見ました。

お巡りさんがキョロキョロと周囲を見回しながら歩いている。

いつも、このお巡りさんは、子供たちを見ると笑顔で「おかえり~!」「気をつけて帰りなさいよ~!」「買い物~?」なんて声を掛けてくれるのに、目があっても一言も発さず、眼光鋭くにらみ通りすぎて行った。

…何かあったんだろうか…💦

不安になった。

すると、見慣れないもう一人のお巡りさんもやって来て私を追い抜く。

そのお巡りさんも眼光鋭く、キョロキョロとしている。

…こわい、なんだろう。

すると、後から来たお巡りさんが、突然、

「早く家に帰りなさい」

と、言ってきた。

…何かあったんだ💦💦

え?けんちゃんち?

お巡りさんたちは、けんちゃんちの方へ入っていく。

けんちゃん 12

2021-01-23 07:36:31 | 日記
父兄代表のおばさんが、けんちゃんのおじいちゃんに苦情を直談判。

普段優しいおじいちゃんにきつく叱られたけんちゃんは、さぞかしショックだったろう…と、思いましたが、違いました。

「ガンガン、ガンガン」

ご近所の塀、ガードレールを傘や棒っ切れで叩いて歩く💦💦

直談判は、あまり効果無かったのでは💦💦

…と、思いましたが、おじいちゃんが鋭く目を光らせていて、学校帰りに、通学路に出てきて、けんちゃんの「ガンガン…」を見つけては、大きな声で叱っていました。

ある日の帰り道。

「ガンガン…」と、ガードレールを叩く音。

…けんちゃんだ。

振り替えると傘を片手にガードレールを叩きまくっているけんちゃんがいた。

…相変わらずだなぁ💦💦と、ため息をついたところ、少し前におじいちゃんが腕組みをして、通学路を見張っている姿が見える。

けんちゃん、また叱られるぞ!

「ガンガン…」が止んだ。

振り返ると、けんちゃんがいない。

おじいちゃんをを見つけたけんちゃんは、いつもの帰り道を変更したらしい💦


けんちゃん 11

2021-01-22 07:52:21 | 日記
ある時、けんちゃんの素行の悪さに近所に住む父兄の代表だと言う人が直接自宅に出向いて話し合う…ということがあった。

後で聞いた話しなので、実際のことは詳しくわかりませんが、私が耳にした話しだけを載せます。

まず、父兄代表のおばさんが二人、けんちゃんの家に行きました。

そこにいたのは、けんちゃんとおじいちゃん。

おじいちゃんは、何かを察してけんちゃんを外へ。

代表のおばさんは、けんちゃんの素行と、周りがとても迷惑している旨を伝えたとか…。

おじいちゃんは、ただただ、頭を下げていたとか…。

実はけんちゃんは、おかあさんとおじいちゃんの3人暮らし。

おじいちゃんは体調が悪く、自宅で療養しています。

おかあさんは、仕事をしていますが、昼も夜も働いているらしい。

おばさんが帰ったあと、おじいちゃんが大きな声でけんちゃんを叱る声がご近所まで聞こえた…とか。

おじいちゃんは、普段とても穏やかな人で、大きな声を出すことも無い人。
けんちゃんは、ショックだったんじゃないか…と、察しました。