続ストーカー18

2023-02-08 08:30:07 | 日記
ある時、課の飲み会があり、七美は気乗りしないながらも、しぶしぶ出掛けた。

たまたま隣の課も飲み会だったらしく、偶然同じ居酒屋で盛り上がることに。

久しぶりの他の課との飲み会はまるで合コンのようだ。

「そろそろお開き?」

坂元からLINEだ。

「まだみたい。」

「たけるくんは、お留守番?」

「ううん、おばあちゃんち」

「そうなんだ」

帰りが遅いと、心配して連絡をくれる。

ありがたい。


少し飲み過ぎた…と思いながら、駅までの帰り道を急いだ。

「七美さん?」

「あ…」

居酒屋で隣に座って、ゲームの話しで盛り上がった原田さんだ。

「飲み過ぎた」

「私もです。」

「ところで、例のゲーム、もしもクリアーしたら、プレゼントするよ。人気のゲームだから、入手困難らしいし。」

「え?本当ですか?嬉しいです」

ひとしきりゲームの話しで盛り上がって別れた。

子育てで頑張っている七美には、こんな時間もワクワクする。


続ストーカー17

2023-02-05 08:17:46 | 日記
七美はいよいよ坂元と付き合い始めた。

坂元は、とても優しく、マメに連絡をくれる。

仕事が遅くなると、何となく待っていてくれる。

自分にもったいないと思った。

「今度、遊園地に行かない?」

「遊園地?」

「たける君も連れて。そろそろたける君に会わせて欲しいな!」

「あ、うん。」

まだ、もう少し様子を見よう…と思っていたが、そろそろ頃合いなんだろうか…。


子供の存在が負担だと、坂元に思って欲しくないのと、2年生になるたけるに余計な気を使わせたくなくて、先延ばしにしてきていた。
そして、ある日曜日、初めて坂元とたけるを会わせた。

二人は違和感なくすぐに溶け込み、遊園地の中を手を繋いで歩くほどになっていた。

あまり大声で笑わない子が、声を上げて笑っている。

ホッとしたのと同時に、まだ小学生の息子に、余計な気を使わせていることに、申し訳なさを感じた。


続ストーカー16

2023-02-02 10:23:21 | 日記
「実は…」

課の飲み会があって、少し酔いが回った七美は、同僚の遥加に、坂元の件を話してみた。

「え?そうなんだ!」

遥加には、既に新たな好きな人が出来て、数日前から付き合い始めたために、心置きなく話せた。

「どう思う?」

「坂元先輩は、素敵だけど…子供の件に関しては別問題だよね。七美的にはどうなの?」

「どうって?」

「子供の件は置いといて、坂元先輩はアリなの?」

「…うん。優しいし、いろんな事に気付いてくれるし…」

「気付いてくれるの…いいね。新人のこと食事とかしてるらしい…って件は、いいの?」

「まぁ、そこはいいんじゃない?私も子供がいるから、少し多めに見なきゃ…」

「…そっか」