台風の影響でか、若干お天気が崩れ気味の今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか

突然かなり強めの雨がまとまって降ることもありますので、是非お出掛けの際にはお気を付け下さい



気が付けばオリンピックも残るところ数日となっていて驚きました

もう2週間以上経過していたのですね。
そのような中でも、マイペースに連日アゲハチョウの更新だらけになっておりますが、今回は前回ご紹介した最後の小さな小さな蛹についての備忘録です

今回はちょっと通常のアゲハチョウをご覧になったことのある方でも、びっくりしてしまうような写真があるかもしれませんのでご注意下さい。

さてさて、もう随分前のことになりますが、
我が家のアゲハアパートに入居者(卵)が決まったのは6月末のことでした

そこからすくすく猛スピードで兄弟姉妹達は急成長

何と早いもので7月中旬以降から連日元気に巣立っていきました。
しかし、その中でも日陰の小さな小さな葉にいたこの子は、成長スピードも大変遅く、終齢になったのも、蛹になったのも随分後になってからでした。
しかも終齢になったものの、他の子と比較しとても小さく、無事に何とか蛹になったものの、その蛹もとても小さい小さい緑の蛹でした


7月31日(土)、最後の蛹が羽化する朝を迎えました。
いつも5時30分頃だと既に羽が既に広がっている場面に遭遇していたことを活かし、本日はアゲハアパート管理人、4時過ぎからスタンバイです

ここからは実況中継方式でお伝えします

4:30頃
胴体の黄色、横の黒いラインもはっきり見えています。
日の出ではありますが、少々暗いため、写真がぶれます…

4:50頃
すっかり明るくなり、蛹の中の空洞化が進んでいるのがよく見えます。

4:53
蛹がビクンと動きました。
4:55
目の錯覚?小刻みに上下に動いているようです。
4:57
明らかに上下に動いています。
5:00
1秒に1回くらいの頻度で上下に小さく動いています。
5:03
時折、少し大きめに上下することがあるような?
5:06
頭の部分はすっかり空洞化していて、いつでも出てきそう…
5:11
上下動のテンポが少し早まりました。
5:15
まだ小刻みに上下動。
ナミアゲハの羽化は一瞬だと言いますが、あくまで蛹が開いてから出てくる時間の話であって、下準備は入念なのでしょうか?
(でも前触れなく、パカッと開くイメージ、と仰る方もいらっしゃるので気になります…)
5:19
又少し大きめにビクンと上下動。
5:25
上下動が少し大きくなりました。
5:29
まだ小刻みに上下動。
あれ?今更ですが、この子他の子よりも羽化時刻が遅い?
(他の兄弟は5:30には羽が広がっていたような…)
5:33
まだまだ上下動。
実際どのような動きかまじまじと観察してみると、腹部内側(棒等接触面)を収縮することによって、蛹全体が上下動しているような感じです。
5:40
上下動が早くなる。
でもまだ蛹は開きません…
5:43
まだ上下動。
もうすぐ動き始めて1時間…
5:47
そういえばお尻の先が空洞化でか白くなったような?
突然大きく上半身を横向きにビクンと動かしびっくり。
そろそろ頑張って出てくる頃でしょうか?
5:53
動き始めて1時間。
上下動は続いているものの、未だに蛹は開きません…
このまま開かなかったらどうしようと一抹の不安…

5:58
また少し上下動が大きくなったような?
因みに現在の気温は25℃です。
6:03
あれ?上下動の頻度が減っている?
6:08
再度上下動の頻度が上がったと思ったら、また暫く止まったり…を繰り返しています。
そういえば腹部全体が薄皮が浮いたような質感になってきました。
(少し前は腹部の節辺りに若干空気が入って浮いているような感じです)
6:11
やはり時偶休んでいる様子。
確かにもう1時間以上動きっぱなしですからね…
まさかこんなに下準備が大変だとは…

6:14
お休み中…
6:16
全く動かなくなりました。
大丈夫…?

6:17
一度だけ上下動。
6:19
動かない。
6:22
動かない…
6:23
今までと違いぐぐっと押し上げるような動きが1回。
6:25
上に延び上がるような動きがもう1回。
再度上下動開始。
これは…!!蛹を破ろうとしているようです!!
6:27
休みつつ腹部を使い上下動。
6:29
腹部にぐっと力を溜めるような動作。
6:35
遂にその時が来ました。
プツンっと首筋が弾けるように裂けました。
そこから蛹の触覚部分を境目に裂け、蓋状態に。

中からアゲハチョウの成虫が一生懸命足で蓋の部分を持ち上げて手足を上に向かって伸ばします。


しかしどうしたことでしょうか、足場となる木に必死に掴まりますが、体が引っ掛かってしまっているのか中々出てきません。
通常であれば20秒そこらでするりと出てきて、即羽を広げ始めるところなのですが…

6:41
体は徐々に出てきましたが、まだ羽が出切らず。
本虫は一生懸命よじ登ろうと手足を動かしています。

6:44
羽先が蛹の内側にくっついてしまっているのか苦戦中。
胴体はどうにか出切る。
通常なら蛹の中に分泌する体液が、羽が出切っておらず胴体だけ出ていたこともあり、蛹の外へ。
6:46
徐々にレモンの木に登りつつあるものの、まだ羽先が蛹の中…
6:48
遂に羽先が抜けました!
蓋の部分に引っ掛かっていたようです。
ちょっと時間が掛かってしまったので心配です…
急いで少し上の方へ移動…
6:50
羽をゆっくり開閉。
羽を広げる工程です。
口もピュルピュル巻き巻き。
まだ先が二手に分かれています。
6:58
羽が…広がっているのか…?
不安になってきました…
既に10分経過しているにも関わらずこのサイズ感…

7:09
これは…
羽化失敗の可能性大です…
蛹から出てくるまでに時間を使いすぎた可能性があります…
元がかなり小さい個体とはいえ、このシワシワ感…
7:12
確かに蛹から出た直後よりは羽が長くはなっていますが、先がチリチリ…
通常なら羽先から広がっていくはずなので広がらない羽が切ないです…

7:18
既に羽化(蛹から出切って)から30分経過…
腹部に力を入れて羽を広げようとはしているのですが、やはり広がりません…
7:23
恐らく羽先は乾いてきてしまった頃でしょうか…

昨年もこのタイプの子を見ましたが、その子も羽化に時間が掛かってしまってに羽化不全だったかもしれませんね。
もしかすると全体的にスタミナが足りなかったのかもしれません。
7:26
足を滑らせ落下

救助に入りましたが、やはり羽は固まりかけていそうです…
残念ではありますが、この子は羽化失敗でも発見できたので、最後まで我が家で面倒を見ようと思います。
7:37
何度も落下するので、あれこれ足場を変えて様子見。
7:42
又しても落下

羽が乾くであろう1時間を目安に保護しようと思ったのですが、余りにも弱っているようなので、早く保護した方が良いかもしれません。
7:57
保護完了。
既に土の上に横たわってじっとしているような状態でした。

その後保護して分かったのですが、何とこの子は左の真ん中の足がありませんでした。
羽化の時に取れてしまったのか、変態中に失ったのかは定かではないですが、蛹から抜け出るのが遅くなった要因の1つではありそうです。
(蛹の中にはありませんでした)
また、やはり全体的に元気がありません。
羽が広がらなくても元気な子は元気と聞いているのですが…
成長速度や大きさからすると、発育不全もあるかもしれませんね…
今回、実は何度か手を貸そうかと迷いつつも、本虫の力に任せておりました。
もしかすると、羽が引っ掛かった時点で横から蛹の皮を剥がしてやったり、出てきた後にきりふきを掛け続けていれば、羽は広がっていたかもしれません。
でも、今保護している小さな小さなか細いこの子をみていると…
本虫の気持ちが全てで、人間には全く分からないもの…
こればかりは仕方ありませんが、既に羽化時に転落か何かで羽が伸びきらずに亡くなってしまった子が2匹いるので、せめてご飯を食べて少しでも成虫としての虫生を送って貰いたいと思います。
保護した後ハチミツ水を与えている時の写真です。

急遽与えたので、すっかり最初は足元にティッシュ等を敷くのを忘れてしまっていました。
この後一度別の場所で待機してもらい、足元にキッチンペーパー、横に止まり木用に蛹が付いていた棒を回収し設置しました。
こうして我がアゲハアパート最後の住人は契約更新となりました。
次回はこの子のその後についてお伝えしたいと思います
