*********************************************************
「首都圏17路線で終電繰り上げへ・・・中央線快速が最大30分、山手線は最大20分」(10月22日、読売新聞)
JR東日本は21日、「来春のダイヤ改正で、首都圏17路線の最終電車の時刻を最大37分程度繰り上げる。」と発表した。開始日や詳細な時刻は、12月に公表する。
繰り上げ時間は、山手線が最大20分程度、東海道線の東京発小田原方面行きが最大15分程度、都西部へ向かう中央線快速の東京発が最大30分程度等。群馬県へ向かう高崎線等は、繰り上げ幅が最も大きい37分程度となる。対象となる電車(平日)の9月の利用者は、1日約2万人だった。
中央線や総武線など5路線では、始発も最大17分程度遅くする。
山手線の外回りや総武線(各駅停車)等の8路線では、新型コロナウイルス感染対策として終電前の電車を増便し、3密回避を図る。金曜日は必要に応じて、臨時便も運行する。
新型コロナの影響で、JR東は2021年3月期決算で4,180億円の赤字を見込む。終電後から始発迄の間に実施する保守点検作業の負担軽減も課題となっており、作業時間を増やす事で労働環境改善やコスト削減を図れるとして、繰り上げ幅を検討していた。繰り上げで、年間十数億円が削減されるとしている。
21日の発表内容は、公式ホームページでも公表している。
首都圏の主要私鉄では、西武鉄道や小田急電鉄、京急電鉄も終電繰り上げを検討している。
********************************************************
「残業をしていて、ふと気付いたら終電時間に間に合わない時間だった。」、「金曜日に仕事を終え、同僚との飲み会の後にカラオケに行って盛り上がっていたら、終電に間に合わなかった。」といった事が、若かりし頃に少なからず在った。バブル景気の余韻が残っている頃迄は、会社から貰ったタクシー・チケットを使って、皆で自宅迄帰ったりした事も在ったが、多くは会社やカプセルホテルに泊まるのが常だった。近年はそういう事が無くなったけれど、“終電”という言葉を聞くと、そんな当時の思い出が蘇る。
新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行は、我々の生活スタイルを大きく変えている。残業や飲み会が激減した(で在ろう)事により、「山手線の深夜帯利用が、6割以上減った。」と言う。又、「今回の終電時刻繰り上げが実施された場合、影響を受けるのは(1日の利用者の内の)1%未満。」とも。「終電に乗り込む人間で、構内が溢れ返っていた時代。」を知っている身からすると、隔世の感が在る。
「仮に新型コロナウイルス感染症が終息したとしても、生活スタイルがこんなにも変わってしまっては、深夜帯の電車利用者は以前程には戻らないだろう。」という交通機関の判断。そして、「JR東日本では、深夜の保守点検作業による工事量が、過去10年間で約1割増えているのに、作業員数は1~2割減っている。」という現実を考えると、「終電時刻の繰り上げによって無理の無い作業時間を増やす等、コスト削減と働き方改革を図れる。」という考えも在るのだとか。
「海外からの旅行者等の事を考え、交通機関を24時間動かしたり、終電時間を繰り下げるべきだ。」という主張が、以前には結構在った。今回の決定は逆行する形にはなるが、生活スタイルが大きく変わった事等を考え合わせると、個人的には支持したい。
終電繰り上げには賛成派です。
人間が深夜に活動をするのは本来不自然・不健全なことだと思っています(天文関係は別ですよ~(笑))。
エネルギー資源を深夜の享楽に消費することになにがしかの不快感もあります。
「不夜城ではなく大自然を愛でよ」です。
でも、社会インフラのために深夜に働かざるを得ない職業があるのも事実。
それを想うと心が痛みますが。
利便性を過度に求めてしまうと、何処かに破綻が生じてしまう。「太陽が昇ったら起き、沈んだら休む。」というのが人間の本来の姿だとしたら、現代は行き過ぎてしまっているのかも知れません。
深夜に働かざる人々、此の中には社会インフラに従事する人間への飲食供給者も含まれましょうが、そういう人達にとって今回の決定は、悩ましい事でしょうね。