耐震強度偽装問題は、関係者同士が責任転嫁をし始めたと思えば、ドサクサに紛れて金をくすねていた輩が出て来る等、泥沼の様相を呈して来ている。*1唯一無二の被害者と言って良い当該建築物の住人達が、全く蔑ろ状態に在るのが何とも気の毒でならない。偽装の背景には苛烈なコストダウン競争と、それを実現する為に物作りのプロとしての責任感と矜持を喪失してしまった関係者達の存在が挙げられるが、政治献金という名の下に彼等から金銭を食い漁っていた政治”屋”達の影が在ったのではないかと想像する。そして、その事が結果的には更なるコストダウンを必要とさせたのではなかろうか。
ヒューザーから献金を受けていた現職の国会議員が、事件発覚前に国土交通省の担当者に小島社長を引き合わせていた件も疑念を増大させる話だが、自民党の武部幹事長がこの事件に関して、「BSEの時もそうだったんですけど、対応に気を付けなくちゃいけませんよ。悪者捜しに終始しますと、マンション業界がバタバタと潰れますよ。不動産業界も参って来ます。景気がおかしくなる程の大きな問題です。大変だ大変だ、心配で寝られない寝られない。寝られないでしょう、自分のマンションが大きい地震が来たら潰れるいう様な話ばかりされると。」と語った事も、その視線が国民ではなく業界に向いている事を端的に表していると思う。後から、その発言を軌道修正した上で、「マスメディアは、言動を捻じ曲げて報道している!」と御冠の武部氏だったが、普段はマスメディアの”煽り”に辟易としている自分の耳目からしてても、あの発言を捻じ曲げて報道したとするのは非常に無理を感じる。新人議員を全面に打ち出し、派閥が崩壊した”かの様な”アピールをし続けている新生自民党も、一皮剥けば従来政治の”思考”と何等変わっていないのではないか。看板だけを架け替えただけで国民を欺き、その陰で数の論理を以ってして為政者に都合の良い事柄を推し進めて行く懸念を拭えない。
本来は政権与党を厳しくチェックすべき野党、特に民主党の存在が何とも心許ない。総選挙で議席数を大幅に減らした事も在るが、それ以降に続出している不祥事の数々が大きく影響しているのは確かだろう。そして昨日は、同党衆院議員の西村真悟氏が弁護士法違反で逮捕されるに到った。
民主党の代表に就任した際、従来の組合依存体質からの脱却を明言した前原誠司氏には大きな期待をしている。数々の不祥事に彼が直接関与している訳でも無く、その意味では災難だなあと同情する部分が在る。しかし、不祥事を起こした議員に対して除籍処分を下し、国会議員の辞職尾求める等、厳しい姿勢を打ち出してはいるものの、これだけではさも生まれ変わったかの様に喧伝している、アピール上手の自民党の対抗勢力にはなり得ないだろう。決定的な差別化を図る意味でも、「逮捕された時点で、議員を辞職しなければならない様に法改正を求める。」とか、「民主党公認の議員は、問題を起こした(どの程度の事柄を対象にするかを取り決める必要が在るが。)時点で議員辞職を余儀なくされる事を、当選時に確約させる。」等の”強烈な”アピールが必要ではないか。後者の場合、「確約」が法的な拘束力を持つのかどうかといった点は問題となろうが、強力なリーダーシップを持って、自民党とは一味も二味も違う所を打ち出して行かなければ、政界に於ける民主党の存在は埋没の一途を辿るだけだろう。
*1 5年前に旧石器捏造事件というものが発覚した。一人のアマチュア考古学研究家が、次から次へと旧石器時代の遺物や遺跡を発掘し、歴史を塗り替える大発見の連発に、”神の手”を持った男と賞賛されていたのだが、実は彼自身の手によって表面採集されたり発掘された異時代の物を埋め戻していた事が判明し、日本考古学界最大のスキャンダルとなった事件だ。あの時も確か、当初は捏造したのは数ヶ所と当人は言っていたが、最終的にはほぼ殆どが捏造だったと記憶している。今回の耐震偽装も、同じ様にドンドン拡大して行く様な気がしてならない。
ヒューザーから献金を受けていた現職の国会議員が、事件発覚前に国土交通省の担当者に小島社長を引き合わせていた件も疑念を増大させる話だが、自民党の武部幹事長がこの事件に関して、「BSEの時もそうだったんですけど、対応に気を付けなくちゃいけませんよ。悪者捜しに終始しますと、マンション業界がバタバタと潰れますよ。不動産業界も参って来ます。景気がおかしくなる程の大きな問題です。大変だ大変だ、心配で寝られない寝られない。寝られないでしょう、自分のマンションが大きい地震が来たら潰れるいう様な話ばかりされると。」と語った事も、その視線が国民ではなく業界に向いている事を端的に表していると思う。後から、その発言を軌道修正した上で、「マスメディアは、言動を捻じ曲げて報道している!」と御冠の武部氏だったが、普段はマスメディアの”煽り”に辟易としている自分の耳目からしてても、あの発言を捻じ曲げて報道したとするのは非常に無理を感じる。新人議員を全面に打ち出し、派閥が崩壊した”かの様な”アピールをし続けている新生自民党も、一皮剥けば従来政治の”思考”と何等変わっていないのではないか。看板だけを架け替えただけで国民を欺き、その陰で数の論理を以ってして為政者に都合の良い事柄を推し進めて行く懸念を拭えない。
本来は政権与党を厳しくチェックすべき野党、特に民主党の存在が何とも心許ない。総選挙で議席数を大幅に減らした事も在るが、それ以降に続出している不祥事の数々が大きく影響しているのは確かだろう。そして昨日は、同党衆院議員の西村真悟氏が弁護士法違反で逮捕されるに到った。
民主党の代表に就任した際、従来の組合依存体質からの脱却を明言した前原誠司氏には大きな期待をしている。数々の不祥事に彼が直接関与している訳でも無く、その意味では災難だなあと同情する部分が在る。しかし、不祥事を起こした議員に対して除籍処分を下し、国会議員の辞職尾求める等、厳しい姿勢を打ち出してはいるものの、これだけではさも生まれ変わったかの様に喧伝している、アピール上手の自民党の対抗勢力にはなり得ないだろう。決定的な差別化を図る意味でも、「逮捕された時点で、議員を辞職しなければならない様に法改正を求める。」とか、「民主党公認の議員は、問題を起こした(どの程度の事柄を対象にするかを取り決める必要が在るが。)時点で議員辞職を余儀なくされる事を、当選時に確約させる。」等の”強烈な”アピールが必要ではないか。後者の場合、「確約」が法的な拘束力を持つのかどうかといった点は問題となろうが、強力なリーダーシップを持って、自民党とは一味も二味も違う所を打ち出して行かなければ、政界に於ける民主党の存在は埋没の一途を辿るだけだろう。
*1 5年前に旧石器捏造事件というものが発覚した。一人のアマチュア考古学研究家が、次から次へと旧石器時代の遺物や遺跡を発掘し、歴史を塗り替える大発見の連発に、”神の手”を持った男と賞賛されていたのだが、実は彼自身の手によって表面採集されたり発掘された異時代の物を埋め戻していた事が判明し、日本考古学界最大のスキャンダルとなった事件だ。あの時も確か、当初は捏造したのは数ヶ所と当人は言っていたが、最終的にはほぼ殆どが捏造だったと記憶している。今回の耐震偽装も、同じ様にドンドン拡大して行く様な気がしてならない。
天下の何とか建設だからが口癖だった。欠陥だらけでオーナーと建設会社間に挟まれて命の縮む思いがした。調べていくと細かいところでは手抜きばかり。処されている設備は一貫して最低ランクのもの。担当を問い詰めると後数億出してくれてたら、という本音が帰ってきた。その金がどこに回ったかといえばオーナーの一流好みで躯体の外壁。会社は総額が変わらない以上、ほかで手を抜く。建物見る一番の目安はシンプルな概観をしていること。工事がスムースに進んで自然とコストが削減され、手抜きの必要がなくなるし管理上のトラブルも少ない。要するに作る側、管理する側の立場に立って対処していくこと。この立場さえあれば被害者にならないですんだ人がかなりいたのでは
貴重な情報有難うございました。一時期では在りますが、自分も建築関係の業務を行なっておりましたので、この業界の事はそこそこ判ってはいるつもりなのですが、結構”闇の部分”が多い世界だなあという気がしていました。と言うのも、一仕事当たりに動く金銭が莫大な為、政・官・民の様々な部分から怪しげな”ちょっかい”が多々在ったからです。
「自己責任」という言葉が独り歩きして久しいですが、購入物件に関しても個人が或る程度の理論武装をしなければならないという事かもしれませんが、そうは言っても目に見えない部分や、プロの目ではないと見抜けない”穴”というのも少なくなく、そうなるとセカンド・オピニオンではないですが、個人で(又は組織体で)検査機関に別途依頼しチェックして貰わなければならない時代になるのでしょうか。「不当に安いモノには、何か裏が在る。」と、常に疑ってかからないといけないとしたら、何か世知辛いですね・・・。
これからも宜しく御願い致します。