昔、世論調査というのが発表される度、「どういう人達を対象に、こういう調査は行われているんだろう?」と良く思った。と言うのも、自分や家族が此の手の調査を受けた事が無かったので。「電話が掛かって来て、色々質問されるらしいよ。」という話を聞いた事が在り、「そういう感じなんだ。」と。
でも、2年位前から固定電話に、“自動音声”でのアンケート調査が掛かって来る様になった。固定電話を所有する家庭が減って来たので、必然的に掛かって来る確率が上がったというのも在るのだろうが、此方に書かれている様に“詐欺目的”でというのも増えているのだろう。つい最近には初めてガラケーに、自動音声のでアンケート調査が掛かって来たのは驚いたが。
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「JT、喫煙率調査終了=個人情報保護で半世紀の歴史に幕」(12月13日、時事通信)
日本たばこ産業(JT)は13日、前身の専売公社時代の1965年から毎年続けて来た「全国たばこ喫煙者率調査」を終了したと発表した。「一部自治体が個人情報保護を理由に、住民基本台帳の閲覧を制限する様になり、調査の信頼性を保てなくなった。」と判断した。
調査は、住民基本台帳を閲覧して対象者を無作為に抽出し、アンケート用紙を郵送して、回答を返送して貰う仕組みだった。
同調査によると、喫煙率のピークは1966年の49.4%で、男性に限れば83.7%に上っていた。其の後は健康への意識が高まって、徐々に低下。最後の調査となった2018年は男性27.8%、女性8.7%、男女計17.9%と、何れも過去最低だった。
JTの調査が終了する事で、毎年行う喫煙率調査は、厚生労働省による国民健康・栄養調査だけになる。
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以前にも書いたが、父親がヘヴィー・スモーカーだった事から、幼い頃より嫌な思いをして来たので、自分は全く煙草を吸わない。小学校高学年の時だったか、興味本位で父親の吸い殻に火を点け、吸った事が在ったけれど、1回吸い込んだだけで思いっ切り咽せてしまい、「此れは、自分に合わないな。」と、以降は全く吸っていない。
嫌な思いをし続けて来たのに、何故、試しに吸ってみたのか?当時は「煙草=格好良い大人が吸う物」という一般的なイメージが在った事が、そういう行動に走らせたのだと思う。
「1996年、男性に限って言えば、喫煙率は83.7%だった。」と言う。「成人男性(未成年も、結構居た様にも思うが。)の10人の内、8人以上が喫煙者だった。」というのは、隔世の感が在る。2018年では、男性の喫煙率が27.8%というから、ピーク時よりも55.9%も減った訳だ。
で、JTが「全国たばこ喫煙者率調査」を今年度で打ち切るのは、「一部自治体が個人情報保護を理由に、住民基本台帳の閲覧を制限する様になり、調査の信頼性を保てなくなった。」からだという事だが、何とも疑わしい。「本当の理由は別なのでは?」と思ってしまう。
「一部自治体が個人情報保護を理由に、住民基本台帳の閲覧を制限する様になった。」と言うので在れば、冒頭で書いた様な「無作為で抽出した電話番号に、自動音声による『全国たばこ喫煙者率調査』を行えば済む。」のではないか?最初に年齢を確認し、成人以上を対象にアンケートを行う。「相手が嘘の年齢を回答したら、調査の信頼性が保てない。」とでも言うのならば、「電話調査自体の信頼性が全く無い。」という事になり、世論調査等の信頼性自体が崩れる事になるだろう。
「煙草を製造&販売しているJTとしては、年々下がって行く喫煙率を発表するのは、企業の存続に関わるから、もう調査&発表したく無い。」というのが、打ち切りの本当の理由ではなかろうか。