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「子供の死因25%、環境要因の病気・・・WHO」(3月9日、読売新聞)
世界保健機関(WHO)は6日、5歳未満で死亡した子供の凡そ4人に1人が大気汚染や受動喫煙、水の汚染等の環境要因による病気が死亡原因だったとする報告書を発表した。
WHOは、各国の政府に対し、妊婦や子供の受動喫煙対策の徹底と、衛生管理の強化を提言した。
報告書によると、2012年に死亡した5歳未満の子供655万人の内、171万人が環境要因による物だった。
此の内最も多いのは、大気汚染や受動喫煙による肺炎などの呼吸器疾患で57万人。次いで、不衛生な環境による下痢で36万人、適切な衛生管理が受けられずに生後1ヶ月以内に死亡した未熟児等の乳児が27万人、マラリアで20万人が死亡している。
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古いデータになるけれど、厚生労働省が発表した「平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、「日本に於ける乳児死亡率(出生千人に対する死亡数)は、1899年が153.8だったのに対し、2011年は2.3だった。」と言う。詰まり、「1899年は千人の出生者の内、1年後(一般的に“乳児”は、「生後1年頃迄の小児。」とされているので。)には約153人が亡くなっていたけれど、2011年は約2人だった。」という事。衛生面の大幅な改善が、乳児の死亡率が激減した大きな要因だろう。
以前にも書いたけれど、自分が子供だったウン十年前は、大気汚染等の公害が大きな問題となっていた。水質汚染も酷く、近くの川ではヘドロが一杯浮いていて、汚臭を漂わせていたもの。「受動喫煙」なんて言葉も存在しておらず、公共の場が煙草の煙で濛々としていたなんて事も珍しくなかったっけ。そんな時代の乳児死亡率、2011年と比べると遥かに高い。
嘗ての日本が置かれていた不衛生な環境並み、又は其れ以上に劣悪な衛生環境に置かれている国が、世界には少なからず存在している現実は、本当に残念な事だ。