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「バド桃田等賭博関与認める『規約違反』五輪絶望的」(4月7日、日刊スポーツ)
バドミントン男子シングルスで、リオ・デ・ジャネイロ五輪の有力なメダル候補だった桃田賢斗選手(21歳=NTT東日本)等が、国内の違法カジノ店で賭博をしていた問題で、日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事は7日、日本オリンピック委員会(JOC)に桃田選手を五輪代表に「推薦出来ない。」との見解を示した。同選手のリオ五輪出場は、絶望的となった。
五輪代表は各競技団体がJOCに推薦し、正式決定する。バドミントンは5月5日発表の世界連盟のランキングで決まるが、世界ランクで4位から2位に上がった桃田選手は、代表入りを確実にしていた。
桃田選手は、同じく賭博をしていた2012年ロンドン五輪代表の田児賢一選手(26歳=NTT東日本)と共に、8日午後に東京都内で記者会見する。
遠征先のマレーシアから7日朝に急遽帰国した両選手は、NTT東日本から聞き取り調査を受け、賭博への関与を認めた。
「プロ野球巨人の野球賭博問題」や、「元プロ野球選手の清原和博被告の薬物問題」等、最近のスポーツ界の不祥事は、アマチュア競技にも広がった。
日本協会は7日に銭谷専務理事等幹部が対応を話し合い、10日の緊急理事会で両選手の処分を協議する事を決めた。同専務理事は「金額の大小に拘らず、一度でも遣ったいう事は、重大な規約違反。」と厳しい姿勢を示した。海外遠征中の代表チームのスタッフに調査票をメールで送る等、調査に乗り出した他、8日には両選手に聞き取りをしたNTT東日本から、詳細な説明を受ける予定。
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桃田選手と言えば、3月25日に行われた「ジャイアンツvs.スワローズ」の開幕戦にて、始球式で球を投げた人物。偶然の事とはいえ、シーズンオフからずっと賭博問題でゴタゴタしていたジャイアンツの始球式に、賭博に関与していた人物が選ばれていたというのは、何とも複雑な思いが在る。
ブログ「雑草の詩」を運営されている村長様が以前、「(必死で野球に取り組むという意味での)“野球馬鹿な選手”は良いが、(常識が欠如している)“馬鹿な野球選手”は駄目。」といった趣旨の事を書かれていたが、全くの同感。此れは、野球選手だけでは無い。「“スポーツ馬鹿”な選手は良いが、“馬鹿なスポーツ選手”は駄目。」なので在る。
室井佑月さんが今回の件に関し、「『其処迄悪い事だって判らなかったじゃないか。』って思いたい。若い頃からずっと努力し続けて来て、代表選手になる迄になった。厳重な注意位で終わりにならないかな。」と、両選手を擁護する発言をしたとか。彼女の発言には共感を覚える事が結構在るのだけれど、今回の発言に付いては全く共感出来ない。
問題となった違法カジノ店の元従業員が証言していたが、両選手はトータルで1千万円近い金を賭けていたと言う。違法行為に関与していた上、莫大な金が、結果として“裏社会”に流れたというのは大問題。成人を迎えている人間が、「其処迄悪い事だって判らなかった。」と謝罪すれば済むレヴェルの話では無いからだ。
桃田選手は以前、「地味なイメージの在るバドミントンを、もっとメジャーな存在にしたい。自分が派手で豪華な生活をする事で、其れを見た子供達が『バドミントン選手って凄いなあ。』と思い、バドミントンの世界に進んでくれたら良いなと思う。」といった趣旨の発言をしていた。金髪にしたり、高価な時計や指輪を身に付けたのも、そういう一環だったのだろう。彼のそういった言動に関しては賛否両論在ると思うが、個人的には「在り。」だと思っている。
でも、「其れだけ、子供達への影響力を持ち得る人間になる。」と思っていたのならば、「賭博という違法行為に関与すれば、何れ程の“悪影響”が子供達に及ぶのか。」に考えが及んで欲しかった。
今日行われる謝罪会見、桃田選手は恐らく黒髪に戻した上、高価な時計や指輪は外して来る事だろう。上記した様な確固たるポリシーが在るので在れば、今迄の格好で臨むのも「在り。」なのかもしれないが、不祥事を起した以上、そんな格好で臨んだら、バッシングの嵐は確実だから。(元ジャイアンツの柴田勲氏が24年前、トランプ賭博の現行犯で逮捕された後、集まった記者達の前で釈明会見を行った。本人は神妙な面持ちで謝罪していたが、着ていたのが“トランプのジョーカー柄”のセーターだった事から、「トランプ賭博で逮捕されたというのに、ジョーカー柄のセーターを着て会見に臨むとは、馬鹿にしているのか!」と大バッシングを受けたし。)
今回の件で両選手が、リオ・デ・ジャネイロ五輪の不出場を含む“謹慎処分”を受けるのは、当然の事だと思う。で、厳しい処分を受け、猛省した上で、彼等にはより素晴らしい選手になって欲しいと思う。「20代という若さを考えれば、幾らでも挽回出来る。」と信じているから。
体育会は、上下関係は厳しいですが、その教育係として、十分に優秀な選手が当てられていたのかどうか、あるいは、党内の規則が行きわたっていたのかどうか、など、先達が果たすべき役割も軽くはない、と思います。
生まれ乍らに“文武両道の才”を有した人も居りましょうが、スポーツの世界で秀でた成績を残す人の多くは、其のスポーツを極める事を最優先させ、概して一般常識に欠ける点が在ったりするもの。
其のスポーツを統べる組織に携わっている者、特に上層部に在る者は、高い名誉や報酬を得ている代わりとして、そんな一般常識に欠ける若人達を、厳しく見守る義務が在る。野球界もそうだけれど、今回の様な不祥事が起こると、「想定していなかった。」的な発言が関係者から出るけれど、「想定していなかった。」というよりも、「何も考えずに、放任していた。」というのが正しい気がします。勿論、中には必死で取り組んでいた人物も居たろうけれど、組織としては全く機能していなかったと。
政治の世界、昔は“派閥”が幅を利かしていました。田中派、そして竹下派が力を有していた時代、派閥は金の問題等、悪い面許りが出ていた。其の結果として、表面的には派閥の縛りが昔程では無くなったとされます。でも、派閥も悪い面だけでは無く、“アホな議員”を教育するというプラスの面も在り、そういうシステムが崩壊した事で、昨今の糞の役にも立たない様なアホ議員が増産されている様にも感じます。