ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

桃太郎伝説

2005年03月15日 | 歴史関連
歴史読本スペシャル 日本史有名人の子孫たち」*1という雑誌が手元に在る。奥付の発行日を見ると昭和62年11月5日となっているので、今から18年前の雑誌だ。歴史が好きなので、この頃は良くこの雑誌を読んでいた。

実際に存在した人物にまつわる歴史を追い求めるのも面白いが、架空の人物に関する伝説が如何にして生まれて来たのを知るのも面白いものである。又、彼等と関連した史跡を辿るのも然り。*2上記号にも「番外・架空人物」という特集が在り、かぐや姫金太郎(坂田金時)浦島太郎等と交じって桃太郎の関連史跡が載っている。

桃太郎の伝承地といってパッと浮かぶのは、岡山県の吉備が一般的ではなかろうか。桃太郎とは切っても切れない関係に在る吉備団子発祥地でもある。その他にも、義経伝説同様各地に桃太郎の地が点在する。愛知県犬山や福井県敦賀、そして香川県高松等。この本では、高松の史跡に付いて頁を割いている。

高松市には鬼無(きなし)という如何にもといった地名が存する。この地方の伝説に拠れば、桃太郎は鬼無の人で、今の高松港沖合いに在る女木島(めきじま)に住んで各地を荒らし回っていた鬼(海賊?)を征伐したとされているのだそうだ。桃太郎生誕の地で在る鬼無の権現谷(ごんげんだに)付近には、鬼ヶ塚や勝塚、猿塚、桃太郎塚、婆々池等が在るというのも、もっともらしさを増す所。鬼無駅の西方、鬼山の麓に在る神高家は、桃太郎の子孫とも言われているのだそうだ。

又、柴山という山も在る。此処は老翁が柴刈りに行ったとされる例の山になる。此処には古くから桃畑が在り、今でも鬼無柴山の桃林として名高いのだとか。この山の東麓に鬼ヶ塚、西麓には桃太郎を祀る鬼無権現宮(桃太郎神社)や桃太郎塚が在り、鬼無権現宮の境内には桃太郎や老翁老婆のみならず、犬、猿、雉子の墓という石祠が置かれているのだそうだ。

一説には、四道将軍の一人として派遣された吉備津彦命(きびつひこのみこと)の弟稚武彦命(わかたけひこのみこと)が桃太郎の名前でこの地を訪れ、鬼の住む鬼ヶ島、即ち今の女ヶ島に渡ったのではないかとされている。

御伽噺の主人公一人をとっても、此処迄様々な思いを馳せる事が出来るのだから、歴史とは本当に面白いものである。

*1 何分、当該誌が古いので記載情報がレイティストなものなのか不安が残る所。記事を書くに当たって、一通りネットでチェックしてみたが、万が一、現状と異なる部分が在れば、遠慮なく御指摘戴きたい。

*2 架空の人物とは言えないが、キリストの墓と言われる遺物が存する青森県戸来(へらい)も一度行ってみたいと思っている地の一つだ。彼の地名が”ヘブライ”に由来しているとか、彼の地に昔から意味不明な盆踊り歌として伝わって来た「ナニャドヤラ」が、近年になってヘブライ語で「神を讃える歌」である事が判明する等、実にミステリアスな地だ。
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11 コメント

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桃太郎侍 (餅きなこ)
2005-03-15 18:51:51
 桃太郎で思い出したのですが、桃太郎が生まれた、割れた桃の剥製や、角のある鬼の剥製があるって聞いたことがあります。ただ、ネコと魚をつなげて人魚のミイラを作ったというフィジーマーメイドっていうのがあるので、ウソなのかな~と思いますが、そういうのって、たとえウソでも、きなこの心をくすぐりますね。あんま、悪いウソでもないし・・・。
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鬼が島 (ヒカル(v^-^))
2005-03-15 21:35:26
小学生の頃修学旅行で四国へ行った時にここに書かれているような話をバスガイドのお姉さんが説明してました。

その時の思い出は金毘羅さんとさぬきうどんの事が印象深かったので桃太郎の説明はすっかり忘れてました(^◆^;)
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キリストの墓 (MIYAKO)
2005-03-16 00:54:33
キリストの墓・・・

先週だったか、フジテレビの番組で全国の県別ランキングみたいな番組をやっている中で、青森県が「一番暗い」県といわれ、取り上げられていた中に、紹介されていました。

キリストが日本で死んだ?というのはにわかに信じがたいのですが、キリストではなくても何らかの関係があったという見方ができるのかもしれません。

うろ覚えですみませんが、神道とキリスト教に関連性を見出す説があったようにも記憶しています。
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吉備の国の桃太郎伝説 (o_sole_mio@吉備の国出身)
2005-03-18 23:32:13
吉備の桃太郎伝説の基になっているのは吉備津彦命の温羅退治です。吉備津彦命が温羅と呼ばれる鬼と対決するのですが、温羅が住んでいたと言われる城が鬼ノ城、戦いに敗れ血まみれになった温羅が鯉に化けて泳いだ川を血吸川、最後に鵜に化けた吉備津彦命が鯉に化けた温羅を食べたといわれる場所が鯉喰神社になっているなど、縁のある場所が数多くあります。ちなみに吉備津神社の鳴釜の神事は、温羅を祭った場所で釜をたくとその音でその年の吉凶がわかるというものです。猿と犬は出てきませんし、そんなに似ているとは思えないのですが。
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 (iina)
2005-03-19 14:51:47
桃太郎に退治される鬼について考えてみたユニークに説です。
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四国にも伝説は多いですヨ♪ (まなぶ)
2006-03-19 07:44:09
おはようございます~

懐かしい「まんが日本昔話」も復活しましたネ♪

さすがに常田さんのお声には寄る年波を感じさせられますが、相変わらずの名調子で安心してみられます。

先週は「一寸法師」を放送していて、忘れていた細かな部分に「ほぉぉ~」「へえぇ~」と、一緒にみていた仲間とともにコーラスになってしまいました(笑)

御伽噺にふれるのは楽しいものですよネ

土地々々に伝わる民話や神話、そんな文化が廃れている現実にも、現代人が抱えている問題に関係があるように感じたりしています。

「スターウォーズ」の新シリーズに出演して、孤高のジェダイ・マスターを演じたリーアム・ニーソン氏が、インタビューに答えていましたが。

「人類が他の惑星から来たという説もあるし、実際に我々は風邪すら撲滅できていない・・つまり我々は地球環境にいまだ適応していない証拠ではないか?・・そして現代社会に欠けているのは神話、民話。長老が焚き火を囲んで語る歴史、それに耳を傾ける心ではないか・・」

という内容でした。

私も同感ですネ。

神話や民話を言葉どおりに受け取るというよりも、その物語の伝えようとしている心の有り様を学ぼうとする姿勢こそが必要だと思います。

謙虚さ、少し宗教的かも知れませんが、師に教えを請う姿勢、信仰の姿勢のようなものかと思います。



質問して頂いた件ですが、私は幼い頃は友達が少なく、1人で過ごす時間が多かったものですから、専ら読書や映画、テレビをみてばかりで過ごしていましたので、長ずるにしたがって、交友関係を築く上で、それらの時間が非常に役立ちました(笑)

好きな書物も映画もですが、繰り返し観賞することが多いですネ。

ジャンルも様々ですが、人間性が巧みに描かれた作品ならば、ドラマ、アニメ、特撮、問わずです♪

朝から長々失礼致しました〆
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ふたたびスミマセン! (まなぶ)
2006-03-19 20:17:04
こんばんわ コメント有難うございました♪



早速、指摘して下さった番組の声優さんの件を調べてみました。

「まんが日本昔ばなし」は10月からスタートしており、今回の放送はビデオ未発売のエピソード、オープニングと本編をハイビジョンでデジタルマスター処理されているという話なので、恐らく常田さん市原さんのナレーションは過去のものを使用しているようです。

毎度、事前に裏を取らずにコメントして申し訳ありません。「詰めが甘い」と反省してます。



常田さんにも失礼でした(寄る年波なんて・・)
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鬼かぁ…… (アブダビ)
2016-12-17 02:51:14
桃太郎と言えば鬼ですね。
私は手塚治の「鬼丸大将」好きだし!
「鬼が作った国日本」にも感心した。
(対談者の片方が、過日に推薦した「古代金属国家論」の話者の一人です)
で、鬼なんすが、そもそもは大人または大仁と書いて、大男だったそうな。
それが「鬼」に何故に変わったのだろう?
中国人の同窓が多いのです知ったのですが、
「鬼」って霊魂または幽霊のこってすよ!
鬼神とは祖先神のこと。または祖先の霊魂で、
氏族(血縁、神話を共有するのが部族)の創始者の霊魂だとか。
何故に日本に来ると肉体を持つ妖怪になったのでしょう?不思議すよねえ?
私は網野歴史観に影響されてきたので、「山」というのが山地に囲まれた奈良では異界であった。大和が拡大するにつれ、それは日本列島を貫く山脈、さらに異域である東北を現すようになったのでは?
要するに山伏や鉱山掘りの山師、得体の知れないマレ人を鬼としたのでは?
中国でも中世あたりまで「正史」に「仙人」が堂々と出てきますよね?
あーいう感じか?
でも、それが何故に「鬼」であらねば成らぬのか、別にヌラリヒョンや泥田坊でも良いしゃんか?と思うのです。
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>アブダビ様 (giants-55)
2016-12-17 13:13:08
書き込み有難う御座いました。

「鬼丸大将」とは、凄くマニアックな作品を御存知ですね。手塚ファンでも、知らない人が居そうな作品なのに。

思えば掲載誌だった「少年キング」も、休刊となってから30年近くになる。少年向け週刊誌が花盛りだった頃の作品でしたね。

「鬼」や「河童」等、空想上の生き物とされる存在には、何等かのモデルが在ったと思うんです。当時としては“畏怖する対象”で在り、だからこそ必要以上に異形の雰囲気として伝わって来たのではないかと。
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鬼と言えば (アブダビ)
2016-12-18 02:27:46
倒すのは武士と相場が決まってます。
で、武士とは山伏の伏から来ているという説があります。伏せる(伏す=ブス)だと。
これ狩猟をすると解るのですが、動物は視野が広くて動体視力が高い代わりに、「動かざる者」には鈍感なんですね。
伏すとは動かざる事で、これは日本武道に他国の武術(中国武術やインドネシアのシラットなど)に存在しない「残身」があるコトと関係あるとされてます。
つまり武士は狩猟民と大和民族の衝突から産まれて来たという説です。
これ雫石さんの「火の鳥乱世編」のコメントで長々と書いたのですが。
武士は武装農民を起源とする説は今日では否定されてます。東北や関東の蝦夷を制圧した軍事貴族が当地に残り、武士となった説が有力です。
そして鉄砲伝来まで武士の表芸であった騎射は、そもそもは朝廷に反旗を翻した蝦夷から伝わったものなのです。
義経の北騎行伝説が嘘でも北海道🔜大陸と繋がるのは、底の所で、ツーングース系の民族(女真族、満州族の先祖)が砂金と馬(南部馬)を持って日本海側に渡来していた事の現れと思います。ツーングース系民族と蝦夷、アイヌの共通点は、「毒矢の使用」であります。
朝廷の軍を翻弄した蝦夷の兵は騎射と毒矢を併用してました。
私は鬼とされた東北の「まつろわぬ民」が、
乗馬と騎射技術を、大和の軍事貴族に伝え、それが板東武者の起源となったと思ってます。
鬼とされた人びとは、藤原三代ごとく、征服者である武士に伝わったと考えております。
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