報道

１週間程前だったろうか、兄弟が所謂「地震雲」を見たと言っていた。「縦方向に半端なく長い地震雲が、３つも出ていた。」との事だったが、「まあ地震が起こったとしても、大した事は無いだろう。」と受け流していた。今となってみれば、「彼が今回の『東北地方太平洋沖地震』の前触れだったのかなあ。」と思ったりも。「地震雲」と「地震」の間に科学的な裏付けが無いのかもしれないけれど、優秀な学者達が長年に亘って研究しているのに、「早い段階での地震発生予測」が出来ない以上は、「宏観異常現象に、もっと注目しても良いのではないか？」と考える。多くの犠牲者を生み出さない為にも、早い段階で地震発生予測が出来るので在れば、其の方法論を問うべきでは無いと思うのだが。

 

未曾有の大震災から一夜明けた昨日、被害が想像していた以上に大きいのが明らかとなった。被害に遭われた方々、特に御身内を亡くされたり、行方不明の状態に在る方々の気持ちを思うと、本当に心が痛い。行方不明になられている人々が、少しでも多く無事な形で発見される事を祈るばかりだ。

 

「東京電力福島第１原子力発電所」の事故も、非常に気掛かりだ。「チェルノブイリ原子力発電所事故」の様な大惨事にならない事を願うが、今回の大地震に関する救助活動が全て完了し、復興の為の動きが出始めたら、「原子力発電所」に関する国民的な議論をしなければいけないと思う。「原発は絶対に安全で、大事故なんか起こり得ない。」と嘯いていた政治家達を糾弾する為では無く、未来に向けた前向きな議論をする必要が在る。我々が今の様な快適な生活レベルを維持する為には、原発は必要悪と言える存在。「原発は嫌だけれど、今の生活レベルも落としたくない。」というのは、「虫が良い話。」と言われても仕方無い。１００％安全とは言えないかもしれないけれど、今以上に安全確保出来るシステムをコストを掛けて構築した上で、原発を使い続けるのか？それとも生活レベルは下がるかもしれないけれど、原発に代わる別のエネルギー源を真剣に捜すのか？そういった事を、国民レベルで論じていかなければならない。 

で、一昨日の地震発生時から自分は、結局朝迄一睡も出来なかった。断続的に発生する揺れが恐ろしくて、とても寝れる状況では無かったから。特別報道番組で地震関連情報を見続けるも、「緊急地震速報の高いチャイム音」が流れる度にドキリとさせられ、気が休まらないままに夜を明かした。

 

特別報道番組を延々と見続けて思ったのは、「今回の様な大災害を報じる際には、報じる側の人選をもっとしっかり考慮した方が良い。」という事。具体的に名前を挙げるのは控えるが、特別報道番組（民放）でキャスターを務めていた中堅クラスの女性アナウンサーは余りにも酷かった。言い間違いが多いのも然る事乍ら、感情を表に出し過ぎな話し方には、状況が状況だけに見ている側はより不安感を増してしまう。出来る限り冷静に淡々と事実を報じられる人が、男女を問わず務めるのが相応しい。

 

又、見ている側により不安感を与えるという点では、地震関係の専門家という事で番組に出演していた某氏もそうだった。「神奈川でも余震が起こったというのは気持ち悪いなあ・・・フフフ。」等々と、不安感を煽る様な事ばかりをボソボソとした口調で、其れも意味不明なニタニタ笑いを浮かべて話す。説明も中途半端だし、不安な中に居る人々を更に不安にさせるだけだ。こういった御仁達は申し訳無いけれど、大災害を報じる番組に起用すべきではないだろう。（「心地良い事ばかり言う人を起用しろ。」と言っているのでは無い。「必要以上に見ている側を不安にさせる様な人を起用すべきでは無い。」という事だ。）

 

昨日、パソコンに届いたメールの中には何時もより少ないとは言え、相変わらず業者からの迷惑メールが何通か在った。自らが被災をし乍らも、近所の高齢者（赤の他人）を背負って避難した若者が居る一方で、大地震発生の中、他者に相変わらず迷惑メールを送り続けるアホが居る現実。同じ人間なのに、こうも心持ちが違うものなのか・・・。