「極めてプライベートな問題なので回答出来ない。」

自らの政治団体「赤城徳彦後援会」が、事務所としての実態が疑わしい実父の自宅を事務所として届け出、２００５年迄の１０年間に総額で約９千万円以上を経常費として計上していた問題が表面化した赤城農林水産大臣。「（実父の自宅は）祖父の時代から後援会活動の中核の場で在り、事務所としての実態は在る。架空計上や付け替えという事は一切無い。」と口にするだけで、領収書等の公表を一貫して拒む姿からは、説明責任を果たそうという思いが全く感じられない。

そんな彼に、新たに浮上したのが「議員宿舎不正入居疑惑」。「東京２３区内に自宅を所有する国会議員は、議員宿舎に入居出来ない。」という衆議院の規則が在り、「世田谷の高級住宅街に自宅マンションを所有する赤木大臣が、赤坂の議員宿舎（超豪華な作りにも拘らず、激安な家賃という事で有名になった例の議員宿舎。）に入居しているのは規則違反ではないか？」と問題になっている。

唯、この規則にも例外が在り、「”特別の事情”が在ると議院運営委員会庶務小委員会委員長が認めた場合は、入居を許可される。」という。その様な例外が認められている以上、当該委員長がＯＫを出したので在れば問題は無いだろう。赤城大臣も「きちんと審査を経て入居している。」と説明している。

しかし「赤城大臣の”特別な事情”とは何なのか？」を彼の事務所に問い合わせた所、「正式な許可を得て入居しておりますが、極めてプライベートな問題なので回答出来ない。」と説明を拒否したというのはどんなものだろうか？少なくとも我々の血税をふんだんに投じて建設された議員宿舎に住まう以上は、「特別な事情」を極めてプライベートな問題として明らかにしないのは論外ではないか？どうも個人情報保護法が施行されて以降、政治家や官僚といった国政に関与する者達による、この法律の”悪用”が目立つ気がする。新党大地の代表・鈴木宗男氏は以前より、個人情報保護法が悪用されている現実を、次の様に批判している。

「２００２年に個人情報保護法が在ったら、私はあれだけバッシングされませんでした。しかしこの経験から、今の政治家や高級官僚が個人情報保護法を隠れ蓑にしていると懸念を抱くのです。自ら手を挙げて国民の審判を受けて出て来た政治家が『個人情報の保護』と言う事がおかしい。『公にしたくなければ出るな！』という事ですよ。公務員も国民の公僕なのだから、管理職以上は同じです。権力者は常に、国民に対する説明責任が在ります。だから私は『法律の保護対象から政治家と高級官僚は外せ！』と提唱しているのです。これを粘り強く訴えて行きます。」

「政治家にプライバシーは全く無い！」とは言わないが、権力を握っている以上、或る程度のプライバシーが制限されるのは当然と自分は考える。ましてや血税を投じて作られた宿舎に、”特例として”入居しているからには、それを公表せずにプライベート云々で”逃げ切ろう”というのは論外だし、政治家としての器の小ささ（セコさ）を感じてしまう。