ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「むかしむかしあるところに、死体がありました。」

2020年06月12日 | 書籍関連

ミステリー関連の年間ブック・ランキングで、自分が注目しているのは「本格ミステリ・ベスト10」(発行元:原書房)、「週刊文春ミステリーベスト10(発行元:文藝春秋)、そして「このミステリーがすごい!」(行元:宝島社)の3つだが、2020本格ミステリ・ベスト10【国内編】」で9位、「2019週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」では7位に選ばれたのが、今回読んだ「むかしむかしあるところに死体がありました」(著者青柳碧人氏)。日本昔話にしたミステリーで在る。

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・「一寸法師不在証明
一寸法師Xアリバイ・トリック

・「花咲か死者伝言」
花咲か爺さんダイイング・メッセージ

・「つるの倒叙がえし」
鶴の恩返しX倒叙トリック。

・「密室竜宮城
浦島太郎密室トリック

・「絶海鬼ヶ島
桃太郎クローズド・サークル
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日本人なら誰でも知ってるで在ろう5つの昔話が基になっているので、すっとストーリーの中に入って行ける。“昔話を題材にしたミステリー”というのは結構在るけれど、“昔話の世界で起こるミステリー”というのは珍しいだろう。(こういう形式のミステリーを読むの、自分は初めて。)

一番面白かったのは「密室竜宮城」で、思いも寄らないトリックに「そう来たか!」という思いが。物語に登場する或るグッズの使用法が実に意外で、「良くもまあ、こんな事思い付いたなあ。」と感心してしまう。「一寸法師の不在証明」も、まあまあ面白い作品。

花咲か死者伝言」と「つるの倒叙がえし」は個人的に“驚き”が無く、凡庸なイメージ。又、「絶海の鬼ヶ島」はトリックは悪くないものの、如何せん“似た様な名前の”が多く登場するので、「誰だっけ?」とか「どういう関係だっけ?」と頭の中が混乱して、読み進めるのに苦労した。読者の事を考え、名前付けはもう少し工夫して欲しい。

総合評価は、星3つとする。(「密室竜宮城」だけで言えば、星4つは与えられるのだが。)


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