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「神経刺激でインスリン細胞増加 糖尿病の治療法開発に期待 東北大」(11月10日、時事通信)
「脳と膵臓を繋ぐ神経に刺激を加えると、インスリン分泌細胞が増える事。」を、東北大の研究グループがマウスを使った実験で発見した。「癲癇や一部の腸炎等では、神経に電気刺激を与える治療法が既に確立されており、研究グループは糖尿病の根本的な治療法の開発に繋がる可能性が在る。」としている。研究成果は9日、国際科学誌「ネイチャー・バイオメディカル・エンジニアリング」に掲載された。
血糖値を下げるインスリンは、膵臓に在るベータ細胞で作られる。研究グループは遺伝子改変により、脳と膵臓を繋ぐ「迷走神経」に近赤外光を当てると、活性化するマウスを作成。約2週間光を当て続けたマウスの膵臓を顕微鏡で観察した所、光を当てなかったマウスと比べ、ベータ細胞の数が2倍以上に増えていた。又、糖尿病状態にしたマウスに約2ヶ月間同様の刺激を与えた所、減少していたベータ細胞の数が回復し、血糖値も正常に戻った。
研究グループの今井淳太・東北大大学院准教授(内分泌代謝学)は、「日本では欧米に比べて、ベータ細胞が減り易く、糖尿病に成り易い人が多い。10年以内を目指し、治療法を開発して行きたい。」と話した。
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元記事にも在る様に、「日本人は欧米人に比べると、糖尿病に成り易い。」というのは以前から指摘されている。簡単に言ってしまうと「日本人のインスリン分泌能力は元々、欧米人に比べると低い為。」というのが理由で、「2016年時点、我が国では『糖尿病が強く疑われる人:約1千万人、糖尿病の可能性を否定出来ない人:約1千万人」の併せて約2千万人が糖尿病&糖尿病予備軍。」という話も在る。という事は、単純計算で言えば「両者の人数を合わせると、日本の人口の6人に1人程度。」という事になる。「糖尿病は、重篤な病気に繋がる可能性が高い。」とも言われている。
そんな恐ろしい糖尿病、マウス実験の段階とは言え、治療に光明が見出だせそうな今回のニュース。是非とも、完全な治療法確立に結び付いて欲しい。