ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「歩道橋シネマ」

2020年03月01日 | 書籍関連

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と或る強盗殺人事件の不可解な証言を集める内に、戦慄真相辿り着いて・・・。 「ありふれた事件」より

幼馴染みバレエ・ダンサーとの再会を通じて才能の美しさ、酷薄さを流麗筆致で描く。 「春の祭典」より

密か都市伝説となった歩道橋を訪れた「私」が記憶と、現実と、世界の裂け目を目撃する。 「歩道橋シネマ」より
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恩田陸さんの短編小説18作品で構成された「歩道橋シネマ」。恩田さんと言えば押しも押されもせぬ“売れっ子小説家”の1人だが、彼女の作品を自分がきちんと読んだのは、3年前の「蜜蜂と遠雷」が最初だった。心に残る作品だった(総合評価は星4.5個。)ので、“続編”で在る「祝祭と予感」を今年初めに読み(総合評価は星3つ。)、今回の「歩道橋シネマ」が3作品目となる。

「今回の作品群、全体としてホラー色が強い。」とは聞いていた。ホラー作品が苦手なので「どうかなあ・・・。」と思って読み始めたのだが、思っていた程ホラー色は感じなかった。そういう意味ではほっとしたのだけれど、肝心の内容がぱっとしない。中身に“”が無い。と言ったら良いのだろうか、「何を書きたいのか?」が伝わって来ないし、全体として申し訳無いけれど遣っ付け仕事の様な感じがしてしまう。「蜜蜂と遠雷」の出来が余りにも良かっただけに、落差が激しい

小説家って普段から観察力が鋭く、一般人が見過ごしてしまう様な出来事からも、小説の題材を拾い取っているんだなあ。というのを、恩田さん自身が各作品に付いて書いた後書きから感じた。自身が目撃した事から着想を得た「楽譜を売る男」もそんな1つで、個人的には面白い作品だった。

総合評価は、星2つとする。


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