古い歌で恐縮なのだが、郷ひろみ氏が1976年にリリースした「あなたがいたから僕がいた」【動画】は、タイトルと同じ「あなたがいたから僕がいた♪」という歌詞で始まる。此の場合の「あなた」は「好きな女性」を、そして「僕」は「そんな女性に裏切られた男性」を指す。
歌の内容とは全く無関係だが、「あなた」を「両親」や「祖先」に置き換えると、そんな「あなた」が居なければ、今の「僕(乃至は私)」は存在し得ない。「各界で活躍する人々の父母や祖先が如何に生き抜いて来たかを、日本国内外や関連人物への取材VTR、そして視聴する本人の感想で構成する番組。」の「ファミリーヒストリー」【動画】を見る度に、其れを感じてしまう。
他者の人生を第三者として振り返った時、一寸した事で其の人生が大きく変わっているケースが少なく無い。偶出逢った人や物から大きな影響を受けたり、偶然の行為が生死を分けたりもする。
前者で言えば「学生時代、落ち零れだった自分に、『~君は絵が上手いね。』と担任教師が褒めてくれた事で、『自分には、そういう才能が在るのかなあ。』と思い、絵の道に進んで成功した。」とか、「偶然、或る場所に行く事になり、其処で連れ合いとなる人間に出逢った。」なんていうのが在るし、又、後者で言えば「戦地で偶、物を拾おうと腰を屈めた事で、飛んで来た銃弾を避けられた。」とか、「本来乗る筈だった飛行機に乗れなかった(他者に譲ったとか乗り遅れたとか。)ら、其の飛行機が墜落し、命拾いをした。」というのが挙げられる。
余談だが、“アラフィフ”の知り合いが今年結婚した。独身貴族を謳歌し、周りもそうだが、本人自身も「此の儘、結婚しないだろう。」と思っていた節が在る。そんな彼が結婚する事になる相手と出逢ったのは、偶然の上に偶然を重ねた様な結果だった。詳細は記せないが、「“月9”でも、そんな偶然性が重なるドラマは、現実味が無くて作らないだろ。」という様な出逢い。彼の人間性は良く知っており、決して嘘を吐く様な人物では無い。“普段は出歩かない時間”に、“行く筈では無かった場所”へ行き、“彼には考えられない様な行動”を取った事で彼女と出逢い、そしてそういった偶然が重なった結果、結婚する事になった。本当に良かったと思う。
「人生って生まれた時から、全て決まっているのか?其れとも、そうじゃ無いのか?」と、昔から良く考える。上記した様な偶然性を考えると、「人生は生まれた時から決まっている訳では無く、時々に選んだ選択肢によって、人生は変わって行く。」様にも思う。でも、「好き放題していた様で、結局は御釈迦様の手の平の中で動き回っていただけの孫悟空。」の如く、「選択肢の中から自身が選び取った様に思っていて、実は最初から“天”が決めていた“道”を歩んでいるだけ。」という気もする。
とは言え、そう思ってしまうのも虚しいので、「人生は、幾らでも変えられる。」と思う様にしてはいるのだが・・・。