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失踪した姉捜しの途中で、知らず知らずミツルがエントリーしたのは、殺人斡旋サイトだった。強迫神経症の自称・斉藤(さいとう)は、其の症状により仕事を干された殺し屋。再起を図るべくサイトから選んだのは、愛知県仁宝町の町長立候補者。報酬額は、格安の100万円。だが、他にエントリー者が居る事を知り、斉藤は焦る。元役人コンビ、殺し屋組合の経理担当者等、殺し屋達のバトルが始まる。
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第13回(2014年)「『このミステリーがすごい!』大賞」の隠し玉に選ばれ、2015年7月に上梓された小説「殺し屋たちの町長選」(著者:加藤鉄児氏)。自分は4年前の2016年に購入したが、何度か読み始めては、途中で放り出していた。「読み進めるのがしんどい。」というのが理由だ。今回、何とか読み終えたので、レヴューしたい。
「ゴンベンやニンベン等、登場人物達の名前が個性的。」、「現実離れした設定。」、「場面の切り替わりの感じ。」等が、伊坂幸太郎氏の作品に、テーストが激似。
でも、蘊蓄が鏤められていなかったり、ストーリー展開が単調だったりと、伊坂作品と比べると“深み”が全く無い。或る人物の設定に驚きは在ったものの、結末は意外性が無く、全体として面白みを感じられなかった。
「隠し玉として、上梓される程の作品かなあ?」という思いが残り、総合評価は星2つとする。