ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「誘拐」

2011年12月03日 | 書籍関連

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友好条約」という歴史的な条約締結の、韓国大統領が間も無く来日する。全警察力が大統領警護に集まる中、事件は起きた。現職の総理大臣・佐山憲明の孫・百合が誘拐されたのだ。

犯人は旅行代理店を辞めた許りの秋月孝介。所謂「普通の男」が、何故大それた事件を起こしたのか?秋月の要求は、政府を混乱のに落とし込む。
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五十嵐貴久氏の小説「誘拐」は、「現職の総理大臣の身内が誘拐される。」という前代未聞の設定。1年前に人事部に異動し、会社の意向によって苦悩乍らも、同僚のリストラ推進しなければならなかった秋月が、或る事件を切っ掛けに退職の決意を固める。「そんな彼が何故、前代未聞の誘拐事件を企てたのか?」が、此の小説のキーとなっている。「贖罪」の意識が誘拐事件の背景に在るのは推測していたが、「“ああいう形”で金銭を手に入れ、“そういう形”で使う。」という事は思い至らなかった。意外性という意味では、著者に完敗。
 
、ストーリー展開の面白さが在る一方で、設定の“粗さ”も気になった。「あんなにも慎重居士の秋月が、余りにも稚拙な手掛かりを残していた。」という点なんぞは、粗さの最たる点だろう。もっと違う妥当な設定で、犯人が秋月で在ると判る設定だったならば、もっと高い評価を与えられただろう。
 
どんな犯罪で在れ、法に則っ裁かれなければいけない。しかし中には、犯人に同情心を持ってしまうケースも在る。秋月の場合も、そういったケースだ。
 
総合評価は星3つ

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