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「『史上最恐』御化け屋敷で演者に蹴り 空手5段の客が運営会社を提訴『御化け役との距離必要。』」(2月9日、京都新聞)
東映太秦映画村(京都市右京区)の御化け屋敷で、御化け役の演者の顎を反射的に蹴り、重傷を負わせて賠償金を支払った空手有段者の男性(49歳)=岐阜県=が、映画村の運営会社「東映京都スタジオ」に安全配慮義務違反が在ったとして、同社を相手取り、約550万円の支払いを求めて、京都地裁に提訴した。1月24日付。第1回口頭弁論は、3月14日に行われる。
訴状によると、2011年9月10日昼頃、男性は社員旅行で訪れた映画村内の「史上最恐」を謳う御化け屋敷に入った所、パニック状態になり、御化けを演じていた男性演者の顎を蹴り、骨折等の重傷を負わせた。男性は空手5段で、当時は飲酒していた。
男性は、警察から事情聴取を受けたが、刑事処分は無く、男性演者に謝罪し、治療費等を支払った。演者側は2015年3月、男性に損害賠償請求を起こし、2016年3月に男性が解決金約1千万円を支払う事で和解した。
訴状で男性側は、「事故当時、男性演者は運営会社に雇用され、職務として御化け役を演じていた為、同社は使用者として安全配慮義務を負っていた。」と主張。御化け屋敷では「恐怖に陥った観客が何の様な反応をするかは予想出来ず、咄嗟に手を出す事は充分在り得る。」とした上で、「運営会社は客と御化け役の間に、充分な距離や仕切りを確保する必要が在り、客から攻撃的な行動をされる可能性が在る事を、出演者達に指導しておくべきなのに、注意喚起も不充分だった。」と訴えている。
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元記事の情報“だけ”で言えば、「は???」という思いしか無い。事件自体は「2011年9月10日」に発生したという事だが、加害者の男性は男性演者に謝罪し、治療費等を支払ったと言う。此の謝罪と治療費の支払いが具体的に何時行われたのは判らないけれど、事故発生からそう遠くは無い頃だろう。恐らくは「2011年中」と思われる。
「其の時点で“解決”した。」とも思えるのだが、被害者は加害者に対して約4年後に損害賠償請求を起こし、結果として約1千万円の解決金を得た訳だ。(金額的に、「高額過ぎるのでは?」という思いが無い訳でも無いが。)一旦は解決したと思われるのに、約4年も経って損害賠償請求を起こしたという事実に、自分は「は???」という思いが。「治療後、被害者に重い後遺症が残ったので。」といった理由が在るのならば、判らないでは無いけれど。
そして、最も「は???」と思ったのは、今回、加害者が「東映京都スタジオ」を提訴したという事と、其の理由だ。元記事には「男性は空手5段で、当時は飲酒していた。」と在るが、良く言われる様に「武道を嗜んでいる者の手足は、充分“凶器”に成り得るのだから、其の行動には十二分に配慮しなければならない。」と思う。「演者たる被害者が、度を越した“脅かし方”をした。」とかならば話は別だが、「御化け屋敷の意味合いを考えれば、客がパニック状態に陥る可能性は充分に在り得る事で在り、又、そんな場所に飲酒して入る事自体が間違いではないか?」と自分は考える。
元記事の情報“だけ”から判断すると、加害者の提訴理由は“無理筋”としか思えず、こんな訴えが認められてしまえば、「世の中、何でも在り。」になってしまう気がする。
武道を学ぶということは、技術もさることながら、精神も鍛えると思います。
お化け屋敷でびっくりするようじゃ、たいした胆力ではありませんね。ほんとうに5段なんでしょうか?
雫石さんも指摘されてますが、この人物本当に5段なんでしょうかね。
高段位になると技量だけでなく精神性も昇段の審査対象になると聞いたような・・・。
被害者が事件から4年も経ってから民事裁判を起こしたのも謎ですが、加害者が和解から7年も経ってから事業者を訴えたというのは、もっと謎です。
「理想と現実は、必ずしも一致しない。」物ですが、「健全なる精神は、健全なる肉体に宿る。」というのも、そんな1つなんでしょうね。
「高速道路上でスポーツカーが、観光バスに煽り運転を繰り返した挙句、急ブレーキを掛けた事で、観光バスがスポーツカーに追突してしまった。」というニュースを、昨日知りました。観光バスに取り付けられていたドライヴ・レコーダーに其の一部始終が撮影されていましたけれど、煽り運転を行った輩の余りの悪質さ&執拗さに怒りを覚えました。彼を煽り運転に駆り立てて理由が、「観光バスが、目の前に入り込んだから。」との事。観光バスが危険な入り込みをした訳でも無く、運転ルールに則った入り方をしていたのに・・・。
チンピラの如く観光バスの運転手に凄んだ其の輩、なんとアラ還の男性だったとか。良い年こいて、いったい何をしてるんだか。今回の有段者も、そんな“オコチャマ大人”の1人だったのかも知れませんね。
「自らの過失により、1千万円の解決金を支払ったものの、其の悔しさをずっと溜め込んでいた。そんな状況で誰かが『こういう訴えを東映京都スタジオ相手に起こせば、少しでも金が取り返せるのでは?』というアドヴァイス(見返りを期待した上で。)」といった辺りが、「7年も経ったのに何故?」という理由じゃないかなあと推測も。