未曽有の国難に直面しているのだから、政府としては「出来るだけ多くの知恵を集め、難題を解決して行きたい。」という思いが在るのは理解出来る。でも東日本大震災発生以降、似通った対策本部を次々に作ったり、参与スタッフを増加し続けている菅直人首相の姿を見ていると、「嘗て首相を務めていた時に無闇矢鱈と『有識者会議』を濫造し、結局は『船頭多くして船山に上る』の喩え通りに、殆どを機能不全に陥らせてしまった安倍晋三氏の姿。」が重なってしまうのだが・・・。
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「復興構想会議設置を閣議決定 議長に五百旗頭氏」(4月11日、朝日新聞)
菅内閣は11日、持ち回り閣議を開き、東日本大震災からの復興計画の青写真を描く菅直人首相主宰の「東日本大震災復興構想会議」を設置する事を決定した。議長は五百旗頭真・防衛大学校長校長が務め、建築家の安藤忠雄氏と御厨貴・東大教授が議長代理。特別顧問に哲学者の梅原猛氏が就く。
赤坂憲雄(学習院大教授)/内館牧子(脚本家)/大西隆(東大大学院都市工学専攻教授)/河田恵昭(関西大社会安全学部長)/玄侑宗久(臨済宗福聚寺住職)/佐藤雄平(福島県知事)/清家篤(慶応義塾長)/高成田享(仙台大教授)/達増拓也(岩手県知事)/中鉢良治(ソニー副会長)/橋本五郎(読売新聞特別編集委員)/村井嘉浩(宮城県知事)
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「有識者会議」と言えば、主宰者の“御友達”や人々の耳目を集める様な顔触れが選ばれ勝ちなもの。(耳目を集める様な人選と言えば、安倍首相時代の「教育ナンチャラ会議」が典型的。有名落語家の妻だった方なんぞは全く意味不明で、「他人様の教育をどうこう言う前に、自分の子供をもっと教育した方が良いのでは?」と言いたかったし。)今回の「東日本大震災復興構想会議」のメンバーを見渡すと「まあ妥当かな。」と感じる人も居るけれど、「人々の耳目を集める人選では?」としか思えない人もチラホラ見受けられる。
名前を挙げて申し訳無いのだが、梅原猛氏や内館牧子さん、玄侑宗久氏、高成田享氏辺りはそんな感じが。平常時ならば「庶民感覚を取り入れたい。」とか「観念的な意見も重要。」というのは判らないでも無いけれど、国難と直面している状況下では「実務家で固める。」のがベターではないか?(ベストとは言わないけれど。)又、「適材適所の人選を徹底し、仮に主宰者と反りが合わない者でも能力が高ければ抜擢する。」という鷹揚さも必要だ。
名前だけで集めたメンバー、という感じです。