ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「犯人に次ぐ3 紅の影」

2019年12月01日 | 書籍関連

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横浜の洋菓子メーカー「ミナト堂」の父子を誘拐した「大日本誘拐団」の実行犯逮捕から間も無く、神奈川県警特別捜査官の巻島史彦(まきしま ふみひこ)は、主犯格と見られる淡野悟志(あわの さとし)を追っていた。 一方、捜査の手を掻い潜って逃げ延びた淡野は、鎌倉潜伏し、警察を出し抜く新たな犯罪計画を立てていた。
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小説家雫井脩介氏の作品「犯人に次ぐ3 紅の影」は、「犯人に次ぐシリーズ」の第3弾に当たる。第1弾「犯人に次ぐ」が上梓されたのは15年前の2004年で、其の年のミステリー・ランキングで高い評価を受けた事から読んだ。此の年にブログを立ち上げた許りなので書評を書いていないが、面白い内容だったのは覚えている。でも、第2弾「犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼」に関して言えば、総合評価「星3.5個」と物足りなさを感じた。前半部は良かったのだが、後半部、特に結末が“消化不良”な感じだったので。「“真犯人”と巻島の決着が付かなかった。」というのが大きな理由だ。

今回の第3弾、結論から言えば「“真犯人”と巻島との決着が付いた。」とは言えない。ネタバレになってしまうので詳しくは書かないが、巻島は“真犯人”を突き止めるも、警察サイドの“完全勝利”には程遠い結末だったので。“真犯人を操っていたボスの正体”も警察は掴めなかったし、読者としては“悪の組織の実態”は理解出来たものの、隔靴掻痒の思いは残るだろう。

派閥争いが、捜査に支障来す。」という展開や、「動画配信サーヴィスを利用した捜査。」等、面白さを感じる点も在ったけれど、全体的に言えば凡庸な内容。警察が“真犯人を操っていたボス”に辿り着けなかった事等から、恐らくは続編が上梓される事になろうが、第2弾及び第3弾と、どんどん消化不良な感じが増しているのが不安。

総合評価は、星3つとする。


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