ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

棄権は損

2012年12月12日 | 時事ネタ関連

2009年の政権交代では、少なからずの国民が「大改革」を期待した。「日本の将来を担う子供達の育成には、様々な面で国“も”バックアップした方が良い。」と思っているので、高校授業料無償化」を民主党断行したのは良かったと思っている。又、自民党政権下では表に出る事の無かった“隠された事実”が、表に出る様になったのも評価している。しかし、総合評価で言えば、民主党政権が国民の期待を大きく裏切ったのは事実だろう。「真っ先に着手しなければならなかった問題を放置し続けた。」事に象徴される様に、何事に関してもアクションの遅さが致命的だったと思っている。

 

池上彰氏だったと思うが、テレヴィ番組で指摘していた点には「成る程。」と思わされた。曰く民主党が国民の期待を大きく裏切ったのは確かだが、野党時代の民主党に対して官僚達が、充分な情報を提示していたとは言えず、与党の立場になって初めて、『外』から見ていた時には見えなかった『現実』に直面させられ、翻弄され続けてしまったという面は在るかもしれない。アメリカの場合、官僚達は野党に対しても充分な情報を提示しなければいけないと法で定められている、政権交代しても大混乱する事は無い。と。ネット等で調べて見たが、実際にアメリカで法定となっているのかは確認が取れなかったけれど、もし事実ならば日本も見習った方が良いと思う。

 

政策パイの奪い合い。投票権を放棄すれば、自らが損をする。」

 

12月11日付けの東京新聞(夕刊)に、「政策はパイの奪い合い 投票率低い若者に不利」という記事が載っていた。上記は、早稲田大学政治学を教えている森川友義教授の主張。

 

森川教授によると、政治学では、合理的に考えられる人程、選挙で棄権するという仮説が在る。と言う。「有権者33万人の小選挙区で、家族4人で同じ候補者に1票を投じても、全体の0.001%。自分1人の票は、大勢に影響しない。投票に時間を使うより、他に楽しい事をする方が賢い選択。」と、頭の良い人は考え勝ちだから・・・というのが、此の仮説の論理。「確かに、そういった面は在るだろうな。」と思う。

 

3年前の記事「文句を言う前に先ずは投票を」に詳細を記したが、1票の価値は「約320万円」という計算も在り、棄権は約320万円の価値を放棄する行為でも在る。又、此れも「文句を言う前に先ずは投票を」の中で詳しく記したが、安直な棄権が増える事は、結果として組織票に重みを与えてしまい、一般の票の価値を下げてしまう事にも繋がるという事も、肝に銘じておかなければいけない。

 

議員は一体、誰の為に働いているのか?「『国』や『国民』の為。」というのは綺麗事で、「自分の選挙区で、自分を支持して投票してくれる有権者の為。」というのが現実だろう。「自分の時間が沢山在る人は投票に行き、仕事や交際等で忙しい人は行かない。」となると、高齢者は投票に行き、若者は行かないという傾向が生まれる。

 

2009年の衆議院選挙の平均投票率は69.28%だったが、最も低い年齢層は20~24歳で46.66%。逆に最も高かったのは、65~69歳で85.4%。投票率の世代間格差の大きさは可成りの物で、「此の投票率の年齢別順位は、過去20年以上ずっと同じ。」と言う。

 

国の予算や政策、詰まりパイは限られている訳だから、有権者で分捕り合戦となる。投票の数が多ければ分配率が高いので年寄りに多く、若者の方は少なくなる。と森川教授。

 

其の著書の中で、「政府から生涯に受ける受益総額から、社会保険等の負担総額を差し引いた額に、世代間格差が開いている。」事も指摘している。財務省の2005年の試算では、1943年以前に生まれた高齢者世代は1世帯当たり4,875万円の「得」をしているが、1984年以降に生まれた若い世代は、4,585万円の「損」をする事になるそうだ。

 

「『自分1人が棄権したって、何の影響も無い。』と冷めた考えを持たず、様々な情報に触れ、自分の頭で良く良く考えた上で投票して欲しい。」と、若い人達には特に言いたい。


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2 コメント

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なるほど (悠々遊)
2012-12-12 11:50:57
そういうデータがあるのですか。
物事を金銭的な損得で比較するのは、抵抗感が無くもないのですが、確かに説得力はありますね。
棄権する人が多いほど投票した人の1票の価値が高まるのは確かだけれど、注目の小選挙区で立候補者が多いほど、死に票が多くなるという事実もあります。

小選挙区で落選(させた)はずの候補者が比例で復活するのもゾンビみたいで嫌な制度だし。

架空の大都市の注目の1区。
立候補9名で選挙が始まり、投票率40%。
開票の結果A候補が得票率25%で当選。

さて、有権者の10%の支持での当選が、有権者の代表といえるのか。
棄権の60%を白紙委任状として当選者の得票に加算する結果にしても良いのか。
A候補以外に投票した有権者には、なにか虚しい気がしますね。

1選挙区に1政党から1人しか立候補できない事にし、
かつ1選挙区で2名まで連記できる投票にし、
上位2名を当選とする。
なんてのはどうでしょうかね。
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>悠々遊様 (giants-55)
2012-12-12 15:52:46
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

選挙制度には、一長一短在りますね。「小選挙区」だからこそ政権交代が起こり易い面は在るけれど、逆に知名度の高い候補者に有利だったり、無党派層の動向によって大きな影響を受けてしまうという面も在る。

だからこそ「中選挙区」復活の声が上がるのだろうけれど、同じ政党内で複数の候補を擁立する事により、多額の金銭が飛び交うというマイナス要素も在った。

「比例代表制」だと死に票が少ない、1票の格差の問題が解消出来る等のメリットが在る一方で、政党に所属していない候補は不可、少数政党が乱立する事で政治が不安定になる等のデメリットが指摘されていますね。

又、選挙制度というのでは無く、議員自体の問題と言えるのかもしれませんが、悠々遊様が指摘されている様に「小選挙区と比例の掛け持ち」というのも「何か違うよなあ。」と思うし、特定の党から出馬&当選した議員が安直に他の党に移るというのも、「其れっておかしくない?」という気がします。実際問題、今回の選挙では自民党の大勝が言われており、第三極の党の中には「選挙が終了したら、複数人が自民党に移籍するのではないか?」と噂される候補者も結構居ますよね。特定の党から出馬&当選した議員が離党する場合には、一旦議員を辞めてからとするのが筋ではないかと。

悠々遊様の案、面白いですね。皆が知恵を出し合い、民意を最大限反映出来る選挙制度を構築して行く必要が在ると思います。
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