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3年前、H県で発生した未解決殺人事件「冬湖楼事件」。行方不明だった重要参考人・阿部佳奈(あべ かな)から、H県警にメールが届く。「警視庁新宿警察署の刑事・佐江(さえ)が護衛してくれるなら出頭する。」と言うのだ。だが、H県警の調べでは、佐江は新宿の極道にとことん嫌われ、暴力団員との撃ち合いが原因で休職中。そんな所轄違いで無頼の中年刑事を、若い女性で在る筈の“重参”が、何故指名したのか?H県警捜査1課の新米刑事・川村芳樹(かわむら よしき)に、佐江の行動確認が命じられる。
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大沢在昌氏の小説「冬の狩人」は、「狩人シリーズ」の第5弾。読んでいて、既視感の在る作品だ。
そう多くを読んでいる訳では無いが、大沢作品と言えば「新宿鮫シリーズ」が代表格。「新宿鮫シリーズ」の主人公・鮫島(さめじま)と「狩人シリーズ」の主人公・佐江は、見た目は可成り違う様だが、「共に新宿署に所属し、警察組織から異端児的扱いを受け、そして孤高の存在。」という共通点を持つ。だから、読んでいて「新宿鮫シリーズ」と混同してしまったりする。
又、ストーリーの流れが“非常に良く在るパターン”。「こういう流れで行くのならば、こういう展開になるだろな。」という予想が悉く的中し、意外性が全く無い。だから、「同じ様な作品を、以前読んだ様な気がするなあ。」という既視感が、より強まってしまうのだろう。既視感が強過ぎて、何度か読むのを断念してしまった。
総合評価は、星2.5個とする。