ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

名優が又一人・・・

2008年10月08日 | 其の他
緒形拳氏が、5日に亡くなられていたと言う。71歳という若さでの死。先々月に観た映画「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」に大妖怪・ぬらりひょん役で出演されていたが、「声量が落ちたなあ。」とは感じたものの、相変わらずの演技力を発揮されており、よもやこんなに早く彼の訃報に接するとは思ってもいなかった。

緒形氏を初めて知ったのは、TVドラマ「必殺仕掛人」の藤枝梅安役だったと思う。「“表の顔”は陽気な鍼灸医だが、“裏の顔”は悪人を抹殺する殺し屋(仕掛人)。」という役どころを、実に上手く演じていた。「鉄針を悪人の首筋や眉間に刺して殺す。」というシーンは圧巻で、この独特なスタイルで悪人を殺すというスタイルが、その後の必殺シリーズに受け継がれていったのは言う迄も無い。

映画では「砂の器」(動画)の三木謙一役や「鬼畜」(動画)の竹下宗吉役、「復讐するは我にあり」(動画)の榎津巌役、「楢山節考」(動画)の辰平役等が忘れられない。又、TVドラマでも上記した「必殺仕掛人」の他に「黄金の日日」の豊臣秀吉役、「赤い嵐」(動画)の山根刑事役、「ブラックジャックによろしく」の服部脩役等、味の在る役を多く演じて来られた。

「これぞ緒形氏の代表作!」とは言えないのだろうが、彼が演じた役で一番好きだったのは、1979年から1980年にかけて放送されたコメディー・タッチのTVドラマ「ちょっとマイウェイ」(動画)。南代官山に在るレストラン“ひまわり亭”を舞台に、其処で働く人達の姿を描いた作品で、緒形氏はチーフ・コックの堀田康吉という役だった。無骨だけれども、心に温かみを秘めた男を演じており、主役の桃井かおりさんと彼の演技を見るだけの為に、このドラマを見続けていたと言っても良い。

役者としてのみならず、ナレーターをやらせても一流の人。未だ未だこれからの人だっただけに、本当に残念だ。名優が又一人、あの世に旅立たれてしまった。合掌

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10 コメント

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懐かしい「ちょっとマイウェイ」 (あみーご長嶋)
2008-10-08 12:56:06
こんにちは。
久しぶりにコメントします。
昨日の緒形さんの訃報以来、実家の両親もショックを受けています。
ところで「ちょっとマイウェイ」もう30年近く前の作品ですよね。当時小学生でしたが、よく見ていました。「夜明けのマイウェイ」も大好きな曲で、まさかyoutubeにあるとは思いませんでした。懐かしいです。
とはいえ、壮絶な闘病生活でした。殉職、という感じがします。


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Unknown (tak)
2008-10-08 13:33:04
こんにちは。
骨太で人間味のある俳優さんでしたね。
今流れているCMを見ても本当にお元気そうなのに。
人の命の儚さを感じずには居られません。
合掌。
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ご冥福をお祈りいたします (Spa supernova)
2008-10-08 13:33:27
遺作となるフジテレビドラマのテーマが末期がんの患者の話ということなので、なんとも重いものを感じています。

>必殺

この作品や映画の印象もあって緒方さんのイメージは「ちょっと怖い」でした^^;。「女衒」や「火宅の人」、「薄化粧」と一時期ゴールデン映画劇場の常連作品だった邦画での「男の業」みたいなのを演じることが多かったこともありますし、外国で日本では発禁映画(遺族の反発が理由)の「MISHIMA」を見る機会があったのですが、その三島役も怖かった(笑)。息子さんはちょっと可愛らしいイメージなのですが。

必殺というと現在パチンコになっているような80年代以降の派手派手の印象が一般的ですが、70年代のはハードでしたね。緒方さんは70年代必殺の顔の一人ですね(「必殺からくり人」「新必殺からくり人」にも出てますね)。
ところで、必殺仕掛人は再放送でご覧になったのですか?自分の親は必殺シリーズは見ない・見せない・見させないというスローガンのもと、禁止にしておりましたので、70年代のものは再放送で見たものが多いです。

「ちょっとマイウェイ」好きでした。当時は日テレのドラマの全盛期では?1979年に日テレで放送されたもののリストを見ると、VAPでDVD化されてる売れ線商品勢ぞろいです(笑)http://www.vap.co.jp/myway/index.html

ところで秋野太作、神田正輝と峰竜太ってこの時期の日テレドラマの脇の常連でしたね(笑)。
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日本アカデミー賞」の常連というイメージ (破壊王子)
2008-10-08 15:58:16
拙は勝手にもってましたね。それにしてもぬらりひょんが遺作って、あまりメディアは触れないですね。

今では中々顧みられない映画に『優駿 ORACION』てのがあります。親子で親子を演じている映画ですが、数年前にCSで見たときは根本康弘騎手(現調教師)が気になっちゃって、他の人物などに目がいきませんでした。

末期を看取った中に津川雅彦がいたというと、秀吉の最期に家康が現れたと、古い大河ドラマファンは思ってしまいますね。

謹んで哀悼の意を表する次第であります。
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>tak様 (giants-55)
2008-10-08 19:40:37
書き込み有難う御座いました。

CMもそうですが、つい1週間程前に新ドラマの記者会見に出ておられましたので、本当に思いもせぬ訃報でした。唯、昨年から今年にかけての彼のコメントを振り返ると、結構「死」を意識した様に感じられる物が多く、もしかしたら御自身でも或る程度の覚悟をされていたのかもしれません。
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>Spa supernova様 (giants-55)
2008-10-08 19:59:08
書き込み有難う御座いました。

上でも書かせて戴きましたが、昨年から今年にかけての緒形氏のコメントを振り返ると、「死」を意識した様なコメントが結構在る事に気付かされました。恐らく御自身でも、或る程度覚悟されていたのかなと。それにしても最後のTVドラマの役は、本当に皮肉ですね。

「必殺仕掛人」は父親が見ていたので、その横で一緒に見ていました。「どてらい男」もそうですが、概してTVドラマに関して我が家は寛容だったのかもしれません。勿論、「11PM」等のエロ番組は、親が寝た後にこっそり隠れて見ていましたが。

「ちょっとマイウェイ」、ディープなファンが多いとは聞いておりましたが、Spa supernova様も見ておられたというのは嬉しいですね。クスッと笑ってしまう展開の中に、ジーンと来るシーンが盛り込まれている、実にバランスの良いドラマだったと思います。秋野氏や神田氏、峰氏もそうですが、この頃良く脇役で出ていた赤塚真人氏が、このドラマにも出演しているのが良いです。
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必殺ファンです (クロ)
2008-10-08 21:14:10
「梅安先生」
「半ちゃん」
「時さん」
「安藤広重」

梅安以外やる気が出ないと知りつつも、いつか必殺に帰ってくると儚い夢も持っていました。残念です。まだ信じられません。

他局での共演も多かったので必殺の仲というわけでもないでしょうが、「面白悪役シリーズ」の津川雅彦が看取ったのも、深い縁と思えてなりません。

今年の時代劇専門ch的には、何の因果か「風と雲と虹と」のCS初放送。純友の殿が海原の虹になったのだと思いたいところです。
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>クロ様 (giants-55)
2008-10-08 21:40:15
書き込み有難う御座いました。

クロ様も必殺シリーズのファンでしたか。「光と陰のコントラスト」が実に絶妙な作品でしたよね。様々な役を演じて来た緒形氏ですが、個人的には「悪役」の彼が好きだったりします。悪役と言っても、100%悪に染まり切れない、極限の所で何とか踏み止まっている様な役回りが、実に上手い役者だった様に思います。
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貫禄 (マヌケ)
2008-10-08 21:59:39
その存在感で作品のグレードを高めるような俳優さんの一人だったと思います。 「武士の一分」での剣術の師範役で短い出演でしたが、本物のこの時代の侍のように感じられました。 全く何の違和感もなく、演じているのではなく、本物の侍がいるように感じられました。 本物の侍を知らなくてもそう感じたのです。 明らかに主役のキムタクは演技をしているのですが、尾形さんはサムライがそのままサムライとして存在しているのです。 それくらいキャリアの違いと才能の違いが明らかでした。 短いシーンでしたが、すごい役者さんだと思いました。 「鬼畜」と「復讐するは我にあり」はとても強烈に印象に残っています。 確か、海外の評価で日本には二人のケンがいてひとりは高倉ケンさんでもう一人が緒方ケンという記事を読んだ記憶があります。 それは「楢山伏考」が海外で賞を獲得した時だったかなと思います。 残念ですね。  
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>マヌケ様 (giants-55)
2008-10-08 23:08:59
書き込み有難う御座いました。

「驚く演技をしろ。」と言われると、目を大きく見開き、口をアングリと開ける。そんな在り来たりな芝居しか出来ない役者が少なくない中で、緒形氏は後ろ姿でも演じられる貴重な役者の一人だったと思います。画面から、その息遣いが聞こえて来る様な、何とも言えない貫禄が在りました。平均寿命を考えれば、余りにも若過ぎる死。本当に残念です。
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