ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

他国の制度がどうだろうが無関係に、「国民皆保険制度」は維持すべき

2013年04月14日 | 時事ネタ関連

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TPPで変わる社会 医療分野 混合診療 分かれる評価」(4月13日、産経新聞

 

国民皆保険は医療制度の根幹だ。揺るがす事は絶対に無い様、取り組む。」。衆院予算委員会のTPPに関する集中審議甘利明TPP担当相は制度堅持を強調した。

 

国民皆保険とは、全ての国民が公的医療保険に加入し、保険料を支払う代わりに1~3割の負担で診療を受けられる制度で、金持ちでも貧しくても平等に治療が受けられるメリットが在る。開業医等で作る日本医師会(日医)は、世界でもを見ない此の制度が、TPPに参加すれば崩壊してしまうと強く訴える。

 

日医の主張は、こうだ。現在、保険で使える薬の値段や診療費は国が決め、安価に抑えている。此れに対し、医療分野でも輸出拡大を目指す米国は、自由診療を広げる、TPP交渉で混合診療の全面解禁を求めて来ると想定米国には、自国企業の高い薬を売り、高額治療に備える民間医療保険の加入を増やす狙いが在る他、株式会社の病院参入を求めて来る可能性も在ると見ている。

 

日医は、其れによって保険適用範囲の診療が縮小し、貧しい人が充分な医療を受けられなくなったり、薬が高くなったりすると主張。医療機関の競争が激しくなるという危惧も在る。だが、混合診療は、同じ病気でも患者によって治療法や薬を自由に選べるという利点も在る。国が保険診療を一定レヴェルで保てば、高い金を支払わなくても、必要な診療は受けられる。

 

「『競争力の自分達の社会を、潰されたら堪らん。』という意識なのでしょう。既得権益を守る為に、国民皆保険堅持を主張している。」。高度医療を行う或る医院の院長は、冷ややかに語る。治療に定評の在る此の医院には、国内各地の他、台湾韓国等海外からも患者が訪れる。「幾ら掛かっても構わない。最も良い治療をして欲しい。」。患者の願いは共通だが、外国人が自由診療なのに対し、混合診療が出来ない国内患者は、此の医院では保険診療の範囲での治療に留めている。

 

誰でも平等に医療を受けられる制度は最低限保証されるべきだが、制度自体が綻んでいる。。院長は、痛切に感じている。財政難で制度維持が危ぶまれる一方、保険適用で処方された3ヶ月で約210万円もする抗癌剤を「飲むと気持ち悪くなるから、殆ど飲んでいない。」と告白する患者もた。院長は「制度見直しは、最早避けられない。」と考えている。

 

患者側にも、変革には複雑な思いが在る。「海外で流通する抗癌剤が在るのに、国内未承認というだけで、使えないケースも在る。切迫した命が、混合診療で在れば、救われる可能性も在る。」。8年前に乳癌の手術を受けた兵庫県西宮市の橋本真由美さん(46歳)は、混合診療を前向きに捉える半面、「国民皆保険制度が崩れて患者負担が増えたり、格差が出たりするので在れば、反対せざるを得ない。」とも語る。

 

「公的医療保険制度の在り方其の物は、(TPP交渉の)議論の対象にはなっていない。」。甘利担当相は衆院予算委で説明したが、参加各国の思惑何の様に動くのかがはっきりしない中で、懸念は消えない。一方、日医がTPPに反対するのは、開業医の市場が荒らされ、競争に敗れる事への恐れからだという見方も在る。其れでも政府は、日医への配慮欠かさ無い。日医が自民党の有力な支持団体で在る事が、背後に透けて見える。

 

夏の参院選睨み、自民と支援団体との関係を重視する余り、政府が国益を害する様な結果を招く様な事は、無論在ってはならない。

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「日本にとって不利益が出ない様、TPP交渉には毅然とした態度で臨む。」という趣旨の発言をしていた政府だが、其の後の報道を見聞する限りでは、アメリカにとって都合の良い形で、次々に“外堀”を埋められて行っている様な感じがしてならない。交渉の席に着くのは賛成だけれど、アメリカの言い成りになるのは駄目。交渉相手と丁々発止遣り合って、“呑める条件”は呑む一方、“絶対に呑めない条件”は呑まないというスタンスは、交渉事で必要不可欠

 

「TPPに関しては、様々な問題点が在る。」と思っている。先日の記事の中でもチラッと触れたが、「国民皆保険制度の崩壊の可能性」というのも、自分が強く懸念する所だ。

 

上記の記事でも触れている様に、「混合診療」のメリットというのが考えられるのは否定しないけれど、総じて言えば「TPPが医療分野に持ち込まれる事で、豊かでは無い患者が被る不利益が余りに大きい。」様に感じる。「金を持っている人間が、多くの利益を得るのは当然の事。」とか「金が無くて診療を受けられないのは、自己責任だ。」等と、弱者虐めをする事“だけ”が目的の人々は言うのだろうけれど、そういう意見には全くシンパシーを感じ得ない。他国の制度がどうだろうが無関係に、我が国の「国民皆保険制度」は世界に誇れる良い制度だと思う。何でも彼んでも、世界標準に合わせれば良い。」というのでは、余りに短絡的ではないだろうか?


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2 コメント

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Unknown (マヌケ)
2013-04-16 12:48:56
弊社は年金基金の方が昨年のAIJの詐欺にやられまして、損失を計上しました。 健康保険の方も、組合が財政難でいろんなサービスが削減されてきております。 保険料率も上がるのではないかと思われます。 アベノミクスで賃金が少しくらい上がったとしても、社会保険料が上がりますし、所得税の控除額が下がりますから、行って来いな方々も多いのではないでしょうか。 と、言いますか、賃金のベースアップはほとんど耳にしません。 私の周囲ではボーナスが少し上がるだけというのがほとんどです。 ちなみに、弊社は業界最下位に転落してしまい、上がるどころではありません。 下がらないだけでもありがたいと思えみたいな訓示がありましたです。 賞与のアップがあれば某社のモニターで使用していた最新機能のズラを購入する予定だった部下がげんなりしております。 ハゲまそうと声をかけたところ、ハゲまさないでくださいよ、もう。と返されました。
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>マヌケ様 (giants-55)
2013-04-16 14:25:40
書き込み有難う御座いました。

世論調査では安倍首相の支持率が右肩上がりの一方、「暮らし振りが改善されたか?」という問いには、多くが「NO」と回答している不思議さ。民主党政権が駄目過ぎたという“反動”は在るのだろうけれど、「憲法改正」や「教育改革」という“首相個人の趣味”を最優先課題として、“弱者切り捨て”に走っている様な政権が、何故こんなに高支持を得ているのか理解出来ません。

「円安が進んだ。」とか「株価が高騰した。」という事は大企業や其れなりに裕福な人達にとっては大きなメリットなのだろうけれど、日本を支えている中小企業や貧しき人達にとっては、「原油高騰」や「物価上昇」等、デメリットの方が遥かに多いのではないかと懸念します。

自分達の身を切る事(定数削減や政治団体を経由しての脱税行為等)は一切行おうとはせず、国民に許り重荷を背負わす遣り方に、多くの国民が支持を表明している此の国は、他国の国民から見ると奇異に見えるのではないかと。
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