「今頃読んでるの?」と言われそうだが、ダン・ブラウン氏の「ダ・ヴィンチ・コード」を読んでいる最中。昨年の大ベストセラーであり、未だ以って売れ続けている作品なので、今更内容を説明する必要も無いとは思うが、ルーヴル美術館館長が館内で死体となって発見された事からこの話は始まる。グランド・ギャラリーでレオナルド・ダ・ヴィンチの高名な素描「ウィトルウィウス的人体図」模した形で横たわる館長の死体の廻りには、意味不明なダイイング・メッセージが残されており、その謎を解明していく過程で、数々のダ・ヴィンチ絵画に隠されたキリスト教に纏わる秘密が暴かれて行くという筋立てだ。「インディー・ジョーンズ」シリーズやシドニー・シェルダン氏の作品を彷彿とさせるスリリングで先の読めない展開に、ついつい時間を忘れて読み耽ってしまう。
言葉に隠された秘密(聖杯を意味する「San Greal(杯)」が、元々は違う形で区切られていて、「Sang Real(王家の血)」の意味を有していた等。)やアナグラムに纏わる謎(花弁が女性器に似ている事から女性の象徴としても用いられる「Rose」の文字を入れ替えると、ギリシャ神話の性愛の神「Eros(エロス)」になる等。)等、興味を惹かれる内容満載なのだが、特に興味深かったのが「黄金比」に関して記された件だった。
黄金比なる言葉は以前から知っていたが、具体的な事例を挙げての記述を目にしたのは初めて。作品の中で、「数学をやっている者は、「黄金比(PHI)は”H”が在る御蔭で、私立探偵(PI)よりずっと切れ者だ。」と言っている。」という台詞が在るので、理数系の人間には慣れ親しんだ用語なのかもしれないが、典型的な文系人間の自分には目新しさを覚える内容だった。
黄金比は、1.618という数値が大きな意味を持っている。森羅万象、自然界に存するあらゆる事物の基本構成に、この黄金比が関わっているというのだ。古より、重要で最も美しい数値と見做されて来た黄金比。古代人は「万物の創造主によって定められた数値に違いない。」と考え、古の科学者は神聖比率とも呼んでいたという。
具体的に書かれていた例を下記するが、これ等の数値比は不気味な程の正確さで1.618対1に迫っているのだとか。
***************************
① 蜜蜂の群れに於ける雄と雌の個体数の比率(雌÷雄)。
② オウム貝の螺旋形の直径を、それより90度内側の直径で割った数値。
③ ひまわりの頭花は逆方向の螺旋が幾つも渦巻いて並んでいるが、それぞれの渦巻きを90度内側と比較した場合の直径比。*1
④ 人体に於いて、「頭のてっぺんから足元迄の長さ」÷「ヘソから床迄の長さ」や「肩から床迄の長さ」÷「膝から床の長さ」。手の指や足の指、背骨の区切り目等々、多くの部所に黄金比が見られる。
⑤ ミケランジェロやアルブレヒト・デューラー、ダ・ヴィンチ等大家の作品構成に、意図的且つ厳格に黄金比が用いられている。
⑥ パルテノン神殿やピラミッド、そしてニューヨークの国連ビル等、数多くの建築物の寸法に黄金比が用いられている。
⑦ モーツァルトのソナタやベートーヴェンの交響曲第5番のみならず、バルトーク、ドビュッシー、シューベルト等々の大作曲家達が作った曲にも、構成上、黄金比が用いられている。
⑧ ストラディヴァリウスのバイオリンは、黄金比を基準としてf字孔の位置が正確に定められた。
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世の中に理屈だけでは割り切れない事柄が幾つも存在するが、この黄金比もそんな神秘の香りを漂わす存在なのかもしれない。
先頃、トム・ハンクス主演で映画化される事が決定したこの作品、未読の方は是非とも活字にて、ミステリアスな世界を堪能して戴きたい。
*1 渦状に並んだ松カサの鱗片や植物の茎に葉が付く配列、昆虫の体の分節等にも、黄金比が見られるのだそうだ。
言葉に隠された秘密(聖杯を意味する「San Greal(杯)」が、元々は違う形で区切られていて、「Sang Real(王家の血)」の意味を有していた等。)やアナグラムに纏わる謎(花弁が女性器に似ている事から女性の象徴としても用いられる「Rose」の文字を入れ替えると、ギリシャ神話の性愛の神「Eros(エロス)」になる等。)等、興味を惹かれる内容満載なのだが、特に興味深かったのが「黄金比」に関して記された件だった。
黄金比なる言葉は以前から知っていたが、具体的な事例を挙げての記述を目にしたのは初めて。作品の中で、「数学をやっている者は、「黄金比(PHI)は”H”が在る御蔭で、私立探偵(PI)よりずっと切れ者だ。」と言っている。」という台詞が在るので、理数系の人間には慣れ親しんだ用語なのかもしれないが、典型的な文系人間の自分には目新しさを覚える内容だった。
黄金比は、1.618という数値が大きな意味を持っている。森羅万象、自然界に存するあらゆる事物の基本構成に、この黄金比が関わっているというのだ。古より、重要で最も美しい数値と見做されて来た黄金比。古代人は「万物の創造主によって定められた数値に違いない。」と考え、古の科学者は神聖比率とも呼んでいたという。
具体的に書かれていた例を下記するが、これ等の数値比は不気味な程の正確さで1.618対1に迫っているのだとか。
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① 蜜蜂の群れに於ける雄と雌の個体数の比率(雌÷雄)。
② オウム貝の螺旋形の直径を、それより90度内側の直径で割った数値。
③ ひまわりの頭花は逆方向の螺旋が幾つも渦巻いて並んでいるが、それぞれの渦巻きを90度内側と比較した場合の直径比。*1
④ 人体に於いて、「頭のてっぺんから足元迄の長さ」÷「ヘソから床迄の長さ」や「肩から床迄の長さ」÷「膝から床の長さ」。手の指や足の指、背骨の区切り目等々、多くの部所に黄金比が見られる。
⑤ ミケランジェロやアルブレヒト・デューラー、ダ・ヴィンチ等大家の作品構成に、意図的且つ厳格に黄金比が用いられている。
⑥ パルテノン神殿やピラミッド、そしてニューヨークの国連ビル等、数多くの建築物の寸法に黄金比が用いられている。
⑦ モーツァルトのソナタやベートーヴェンの交響曲第5番のみならず、バルトーク、ドビュッシー、シューベルト等々の大作曲家達が作った曲にも、構成上、黄金比が用いられている。
⑧ ストラディヴァリウスのバイオリンは、黄金比を基準としてf字孔の位置が正確に定められた。
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世の中に理屈だけでは割り切れない事柄が幾つも存在するが、この黄金比もそんな神秘の香りを漂わす存在なのかもしれない。
先頃、トム・ハンクス主演で映画化される事が決定したこの作品、未読の方は是非とも活字にて、ミステリアスな世界を堪能して戴きたい。
*1 渦状に並んだ松カサの鱗片や植物の茎に葉が付く配列、昆虫の体の分節等にも、黄金比が見られるのだそうだ。
今は家族間で読む本は共有して、回し読みしています。ちょっと変な家族かもせれません。プレゼントにするのも、ちょっとどうかと思っていたのですが、本人は本を一番喜んでくれるので・・・
黄金比は、本当にあちこちにあって、振動数分析などでも見られたり、謎の比ですね。とても勉強になりました。
人間が意図的に黄金比を用いた例(ブログ内の⑤~⑧)については、人が感じとる「美しさ」という抽象的なものを数式で表すことができるという面白さがありますね。そして①~④のように自然の中にこの黄金比が存在しているという事実も神秘的で非常に興味深いです。用紙サイズ(A4やB5等、半分に折っても短辺:長辺の比率が維持される)に見られる「1:√2」のように人間が実用的に生み出したであろうものとは全く違う趣きがありますね。
やはり、理系の方からすると黄金比は知識の一つとして持っておられるのですね。文系人間の自分からすると、黄金比なる言葉を知ってはいたものの、錬金術等と同じ様な存在で捉えていました(^o^;;;。
理論や理屈でバシッと結論付けられる世界も良いですが、こういったモノで割り切れない世界が在るのも、人間社会を潤わせる要因の一つでしょうね。
1:x=(x-1):1 というのが定義のようで、これを解くと、x=(1+√5)/2 、確かに≒1.618になりますね。超久しぶりに二次方程式を解きました。^^;
昨日夜は外出しておりましたので、当該番組は録画しておきました。未見なのですが、黄金比に関しても取り上げていたのですね。黄金比の定義を見ると、この概念が単なるミステリアスな領域のものではなく、学術的なものであるという感じがしますね。
「ダ・ヴィンチ・コード」ですが、下巻も残す所1/3程迄読み進みました。興味深い内容ですので、未読でしたら是非読まれる事を御薦めします。
このBlogを存じ上げておりました。
いつも読むばかりですが、今日は思い切ってコメントさせていただきます。
「黄金比」についてですが、
私は中学の美術の時間に習いました。
モディリアーニの人物画だったと記憶していますが、
美術の先生がこの絵も「黄金比」で描かれていると教えてくれました。
このように学習指導要領がもっとも充実していた時代
(文科省や一部の知識人が言う『詰め込みの時代』)
では、中学生にもちゃんと「黄金比」を教えてくれて
私たちは当たり前のように知っていました。
その後、数学ではその比率の出し方の計算も
教えてもらったと記憶しています。
これは授業ではなく、数学の先生の余談として。
昔はこういう能力の高い教師がいたのですね。
1968年の指導要領が、1977年に改定されるまでの8年間に
小・中・高と過ごせた私の世代は貴重な世代だったのだと
あらためて思いました。