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「スタバ全世界の店舗、使い捨てストロー廃止へ」(7月9日、読売新聞)
米珈琲チェーン大手スターバックスは9日、使い捨てのプラスチック製ストローを、2020年迄に全世界の店舗で廃止すると発表した。プラスチック製ストローは海洋汚染を招くと指摘され、利用禁止を求める声が広がっていた。
ストローを使わなくても飲める蓋や、紙製のストロー、肥料として再利用出来るプラスチックへの切り替え等を進める。
スタバの1号店が在る米西部ワシントン州シアトルと、カナダのヴァンクーヴァーで今秋に導入した後、2019年中に米国とカナダ全体に広げる。其れ以外の地域でも、2020年迄に実施する方針だ。
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直径0.5mm以下のプラスチックを「マイクロプラスチック(マイクロビーズ)」と呼ぶが、4年前の記事「マイクロビーズ」、そして2年前の記事「発生する幼生数が41%減」と過去に2度、マイクロプラスチックによる海洋汚染に付いて記した。
「海洋プラスチック汚染とは?」、「プラスチックだらけ!世界中のごみが流れ着く『太平洋ゴミベルト』は本当にひどかった」という記事が在る。興味深い内容なので是非読んで戴きたいが、ポイントを抜粋してみる。
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・北太平洋旋廻の海流の影響により北太平洋の中央には、「太平洋塵ベルト」と呼ばれる、海洋塵が浮遊する広大な地帯が在る。其の面積は160平方キロメートル(日本の面積の4倍以上とか。)を超える。
・2016年、太平洋塵ベルト内で50cm以上の大きなプラスチック塵を回収した結果、此の地域には少なくとも約1兆8千億個、約7万9千トンのプラスチック塵が存在すると推計された。
・2015年の時点で、1年間に全世界で製造されるプラスチックの量は約3億2,200万トン。此れは、東京スカイツリーを約7,800個足し合わせた量に相当。
・プラスチック製ストロー等、プラスチック製品には1回で使い捨てる物が少なく無い。殆どのプラスチック塵は埋め立て地に行くか、焼却されるが、其の一部は漏れ出して海に入る。毎年、世界中で捨てられるプラスチック塵の2~5%が海に漏れ出していると言われ、其の量は毎年約800万トンと推計。此れは、ダンプ・カー一杯のプラスチック塵を、1分毎に海に投棄するのと同じ。
・プラスチック塵は海洋動物に絡まり、又は誤食される事で、多くの野生動物の死を招いている。特に危険なのはマイクロプラスチックで、此れ等はPCBやDDTといった有害な化学物質をスポンジの様に吸着する。其れ等を動物プランクトンや小魚、貝等の海洋動物が誤食し、食物連鎖によって汚染物質が濃縮されて行く。最大限に濃縮された有毒物質を含む魚や貝等を、我々人間が食す。
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こういう状況を考えると、「全世界的に、プラスチック塵の量を減らす。」というのは大事な事だろう。今回のスターバックスの決断は、高く評価出来る。
使い捨てのストローが減って行く過程で、不自由さを感じる人も居るだろうが、「マイ・バッグ運動が始まった頃、マイ・バッグを持参する事に面倒臭さを感じた人達も、今ではマイ・バッグ持参が普通になった。」様に、其の内に慣れると思う。
たかがストロー、されどストローという事でしょうか。
もっとかさばってもっと生産量の多い使い捨てプラゴミがあるように思いますが、なぜストローなのでしょう。
日常生活でほとんどストローを使う機会がないので、なんだか違和感がありますが、せめてこれが使い捨てごみの減量への最初の1歩であってほしいと思いますね。
消費者の意識改革ももちろん必要ですが、まずは生産者や販売者の「作らない・売らない」意識改革が先だと思います。
目の前に安くて簡単に手に入るものがあれば、それを我慢するというのは消費者心理に反しますから(苦笑)。
喫茶店やファスト・フード、ファミリー・レストラン等、使用される量は相当になるだろうし、「プラスチック塵の減量」という活動の象徴的な存在としてプラスチック製ストローが選ばれたという事なんでしょうね。
仰る様に「プラスチック塵の減量」という事で在れば、もっと大量な物は在るのでしょうが、今回のプラスチック製ストロー廃止が大きな切っ掛けになってくれれば良いですね。
生産者や販売者の意識を先に変えるのか?其れとも消費者の意識を先に変え、其の事で生産者や販売者の意識を変えさせるのか?「卵が先か?鶏が先か?」と似た感じが在るのかも。
コメント投稿のルールに反しているかもしれません、ごめんなさい。
でも、生産者・販売者の意識改革が先か、消費者の意識改革が先か、が卵が先か鶏が先か、と同列に考えられるのには違和感がありますので。
無いもの、売っていないものは消費者が自分で作る・・・というレベルではないですよね? プラスチック製品は。
金型があって大量生産するからコストが下がって、安価で大量に出回るという事でしょう?
大量生産し市場に大量に出回っても、そのうち実際に消費者が消費するのはどれぐらいなんでしょう。
使われないまま経年劣化で、廃棄されるものはどれぐらいあるでしょう。
売れ残り食材が大量廃棄されるほどではないでしょうが、構図は似ていると思います。
市場に出回らなければ消費が始まらないですよね。
もし奇跡的に世界で一斉に消費が停止したら、それまでに生産されていたプラ製品はどうするのでしょう。
自然分解しないのでやはり産業廃棄物になるのでしょうね。
だったらやはり生産者・販売者の側の「作らない・売らない」意識改革が先だと思うのですが。
もちろん消費者への啓蒙も同時進行でするべきではあると思います。
先ず、“コメント投稿のルール”に反してなんかいませんので、全く気になさらないで下さい。
「大量生産し、市場に大量に出回っても、其の内実際に消費者が消費するのは、何れ位なんでしょう。」、此れは自分も良く考える事です。「大量消費が在ってこそ、経済が発展して行く。」と“考えられている”現代社会。無為に廃棄されて行く“商品”の量は膨大で、「有限な資源を考えると、本当に勿体無いなあ。」と思ってしまいます。
言葉足らずの部分が在り、誤解させてしまったかもしれませんが、生産者・販売者の意識改革が重要というのは自分も同感です。其の上で「生産者や販売者の意識を先に変えるのか?其れとも消費者の意識を先に変え、其の事で生産者や販売者の意識を変えさせるのか?『卵が先か?鶏が先か?』と似た感じが在るのかも。」と書いたのは、「無駄に廃棄されて行く商品を減らすには、多くの消費者の中に『無駄を無くさなければいけない。』という意識改革を“拡散”させる事で、無駄な商品の購入が減り、延いてはそういう意識改革に気付かされた生産者や販売者が、「無駄な商品の生産&販売を止め様。」という意識改革に繋がるのではないか。そうなると、生産者や販売者の意識改革よりも先に、消費者の意識改革が先という考え方“も”在るのではないだろうか。」という思いが在ったんです。
唯、悠々遊様が書かれている様に、「消費者への啓蒙も同時進行でするべき。」という考え方に立てば、其れは効果的だと思います。