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祖母・佐伯松乃(井上真央さん)の葬儀の席で、祖父・賢一郎(夏八木勲氏)が実の祖父で無い事を知った健太郎(三浦春馬氏)。実の祖父は宮部久蔵(岡田准一氏)といい、今の自分と同じ26歳で、特攻隊員として亡くなったと言う。
「困っている人を助けたい。」という思いで、弁護士として働いて来た賢一郎。そんな“祖父”に憧れ、同じ道を歩もうと司法試験に挑戦するも、不合格が続く健太郎。進路に迷っていた彼は、太平洋戦争の終戦間際に特攻隊員として出撃し、そして戦死した実の祖父の事が気に掛かり、嘗ての戦友達を訪ねる。
「零戦パイロットとして、天才的な技術を持っていた。」と証言するも、「奴は、“大日本帝国海軍一の臆病者”だった。」と、久蔵を口汚く罵る戦友達。祖国に生還する事に拘った祖父の思いも寄らない真実を、健太郎は軈て知る事となり・・・。
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大ベスト・セラーとなった、百田尚樹氏の小説「永遠の0」。自分も読んだが、総合評価を「星4つ」とする程、心に残る作品だった。其の「永遠の0」が映画化されたので、観に行って来た。
小説では描かれていた「或る男女の話」が、映画ではスパッとカットされていた。本筋とは無関係だし、よりストーリーを際立たせる意味で、此のカットは正解だったと思う。
(久蔵の)戦友の井崎(橋爪功氏)や武田(山本學氏)、長谷川(平幹二朗氏)、景浦(田中泯氏)、そして健太郎の母・清子(吹雪ジュンさん)等、演技上手な俳優が多く出演している。岡田准一氏や三浦春馬氏等、若い連中も良い演技を見せてくれていた。だが、個人的に最も引き込まれたのは、賢一郎を演じた夏八木勲氏。昨年5月に亡くなられた彼にとって、此の作品は「遺作」となった訳だが、自らの余命が長く無いのを知っていたのだろうか、「役者として得て来た全て」を出し切るかの様な迫真の演技。
「戦没者を悼む気持ちは尊いが、其れを利用して『戦争や国の犠牲になる事を美化』する様な風潮には、反対の声を上げ続けなければいけない。」と、多くの人に思って貰いたい。そうじゃないと、戦争で亡くならなければならなかった人達が報われないと思うから。