老舗

新規開店した店が、あっという間に閉店しまう事が在る。中には僅か数ヶ月で閉店しまう店も。素人目にも「此処でこういう店を始めても、絶対に流行らないだろに。」と思ってしまう場所に開店し、案の定直ぐに閉店しまうと、「周辺のリサーチをちゃんとしたのだろうか？開店には莫大な費用が掛かっただろうに。」と不思議でならない。

不景気風が吹き荒れる昨今、代々同じ商売を続けている店、即ち「老舗」と呼ばれる店ですら、閉店する所もチラホラ出ている。老舗としての伝統を守りつつ、時代に合わせて変えて行く部分も無いと、なかなか生き残りは難しい。

１１月２２日付けの東京新聞（サンデー版）に、「世紀を超える長寿企業」という特集が組まれていた。民間信用調査会社の東京商工リサーチによると、２００９年９月２９日時点で把握した全国に存する企業（個人企業を含む。）２１４万４，１５５社の内、創業から１００年を超える（１９０８年以前に創業。）企業は２万１，０００社（０．９８％）在り、その大半は地元を中心に事業を展開する中小企業で占められているとか。

日本最古の企業として紹介されていたのは大阪市天王寺区に本社を有する「株式会社金剛組」で、その創業は何と５７８年、即ち古墳時代末期（紙面では「飛鳥時代」と記されていたが、狭義で言えばこの時代は「５９２年から始まる。」ともされているので、此処では「古墳時代末期」とさせて貰った。）というのだから驚きだ。

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【株式会社金剛組の沿革】

聖徳太子が日本最古の官寺・四天王寺を創建する為朝鮮半島の百済から招いた工匠の１人が初代・金剛重光。江戸時代迄は同寺の宮大工集団だったが、廃仏毀釈等苦難の時を経て１９５５年、株式会社となり、木の味わいを損なわない鉄筋コンクリート造りによる社寺建築にも乗り出す。
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この他にも幾つか長寿企業が紹介されていたが、例えば「ヤマサ醤油株式会社」の創業は１６４５年（江戸時代前期）から、又、「西川産業株式会社」の創業は１５６６年（室町時代末期）となっており、その長寿さに敬服。

「長寿企業の業種」に関しては２つのデータが載っており、１つは「企業数ベース」のデータ。もう１つは、各業種に於ける長寿企業の割合を意味する「構成比ベース」。

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＝長寿企業の業種＝

「企業数ベース」
１位：　卸売業・小売業（９，９２４社）
２位：　製造業（５，７０９社）
３位：　建設業（１，８６４社）
４位：　宿泊業・飲食サービス業（８２８社）
５位：　不動産業・物品賃貸業（７３２社）

「構成比ベース」
１位：　教育・学習支援業（２．２％）
２位：　製造業（２．１％）
３位：　卸売業・小売業（２．０％）
４位：　宿泊業・飲食サービス業（１．２％）
５位：　農林水産業（０．８％）
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「企業数ベース」の１位が卸売業・小売業というのは「そうだろうなあ。」という感じだけれど、「構成比ベース」の１位が教育・学習支援業というのは意外な結果だった。

尚、長寿企業が掲げる「企業理念」で最も多かったのは、「顧客満足」なのだそうだ。これと同じ企業理念を掲げるも、それが実践出来ていない企業は結構多そうだけれど。