ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

老衰

2022年04月05日 | 其の他

作家宮崎学氏が3月30日、76歳で亡くなっていた。」事が明らかとなった。暴力団被差別部落等、社会問題を扱った著書上梓していた彼だが、1984年~1985年に起きた「グリコ・森永事件」では、事件に関与したとされる“狐目の男”と疑われた事でも有名。合掌

で、宮崎氏の死因として記されていたのが「老衰」。「76歳で老衰かあ・・・。」と、少し違和感覚えた。76歳という年齢、高齢と言えば高齢だが、「老衰は、もっと高齢な人の死因。」というイメージが在るので。具体的な内容は忘れてしまったが、以前、60代(前半だったか?)の人の死因で「老衰」と記されていた事が在り、其の時も「えっ!?」と思ったっけ。

御婆ちゃん女優として知られた原ひさ子さんが亡くなられたのは、2005年の事。彼女の家族が「何時もの様に夕食を終え、炬燵に入ってTV番組を見乍ら笑っていたが、静かになったので確認すると、意識を無くしていた。慌てて救急車を呼んだが、搬送中の車内で心不全にて亡くなった。普通に元気だったので、信じられなかった。」という趣旨のコメントを出していたのを覚えている。96歳という年齢を考えると、大往生と言って良いだろう。死因としては心不全となるのだろうけれど、諸々を考え合わせると老衰の方が相応しい気もする。

「老衰って、どういう定義になっているんだろう?」と疑問に思い、色々調べてみた。すると「やさしいお葬式」のサイトに「老衰とは?近年増えつつ在る老衰死に付いて、其の意味や前兆、老衰への備えを徹底解説!」という記事が在り、非常に判り易かったので、一部抜粋させて貰う。

厚生労働省の「平成30年度版死亡診断書(死亡検案書)記入マニュアル」によると、老衰は、高齢者で他に記載すべき死亡の原因が無い、所謂自然死”の場合のみに用いられる。と言う。「仮に老衰が進んでいても、直接の死因が他の病気で在れば、其方の病名が死亡診断書記載される。」との事で、原ひさ子さんの場合もそうなのだろう。

厚生労働省が発表している「平成30年人口動態統計(確定数)の概況」によると、此の年(2018年)の日本の死亡者数は136万2,470人で、死因の1位は悪性新生物(癌)で 373,584人、2位は心疾患で208,221人、そして3位が老衰で109,605人。詰まり2018年に日本で死亡した総人数の約8%が、老衰による。という訳だ。

「2017年の日本では、老衰が死因というのは4位。」だが、「2009年の日本では、老衰が死因というのは5位(38,670人)。」。詰まり、9年間で約2.8倍という事になる。我が国では「死因が老衰。」というのは増加傾向に在り、「高齢化社会医療科学の進歩等、様々な要因から増加しているのだろう。」と。

で、「何歳以上から、死因としての老衰は適用されるのか?」だが、明確には定まっていないそうだ。厚生労働省の資料によると、日本の男女の平均寿命は80歳前後(2019年では、男性は81.41歳、女性は87.45歳。)なので、老衰の多くは、此の平均寿命で在る80歳をボーダーとしている事が多く、平均寿命を超えた状態で、病気や事故等の死因以外で自然死だと認められる場合、老衰と判断される。という事だが、飽く迄も“医師の判断”による物なので、「60代の人の死因が老衰。」という場合も在るのだ。


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Unknown (悠々遊)
2022-04-06 11:21:02
医療行為に頼らず苦しまず自然死(老衰)として死ねれば、『終わり良ければ総て良し』と思うのですが、先天性心疾患と長い付き合いがあったし、今も不摂生な生活でメタボ気味とあれば、望むべくもないですが(苦笑)。
昔どこかで読んだ事ですが、動物の心拍数と寿命には関連性があり、心拍数の多い動物ほど短命、少ないほど長命。ただしこれを人間に当てはめると平均寿命が40歳と、実際の半分ぐらいになるそうです。
常に生きるか死ぬかのストレスに晒され続ける野生動物と、病気やケガで医療行為を受けられる人間ではストレス条件も違うのでしょう。
気になってこのコメントを書く前にweb検索「心拍数 寿命」で確かめたところ、今でもこの説は有効だそうです。
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>悠々遊様 (giants-55)
2022-04-06 21:14:09
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

所謂“ポックリ死”、自分も憧れます。だからこそ、原ひさ子さんの最期は凄く印象に残ったし、「羨ましいなあ。」という思いが。

「動物の心拍数と寿命との関連性」、自分も此の説を知った際には、「じゃあ何故、人間は“長命”なの?」と不思議でした。でも、「常に生きるか死ぬかのストレスに晒され続ける野生動物」という事を考えると、成る程ですね。

子供の頃、「動物って、自由で良いなあ。」と思った物ですが、長じて「四六時中、危険な状況に面している。」事を知り、「人間で良かった。」と思いました。ストレス過多な時代では在りますが、少なくとも戦地に身を置いていない限り、野生動物の様な恐ろしい状況には無いですから。
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