銀幕大帝α

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奈落のマイホーム

2023年04月29日 18時02分11秒 | 韓国サスペンス

SINKHOLE

2021年

韓国

114分

パニック/サスペンス/コメディ

劇場公開(2022/11/11)

監督:
キム・ジフン

『ザ・タワー 超高層ビル大火災』

出演:
チャ・スンウォン・・・マンス
キム・ソンギュン・・・ドンウォン
イ・グァンス・・・キム代理
キム・ヘジュン・・・ウンジュ

<ストーリー>

平凡なサラリーマンのドンウォンは、11年間の節約生活を経てマンションを購入し、家族と共に引っ越して来た。同僚を招き、引っ越しパーティーを開くが…。

11年越しの夢の我が家が1分で地下500mへ沈む。

―感想―

第一印象最悪な男が最後にヒーローとなる。

もうほんま何やねんこいつ、てな男だったが、イエローサブマリンからの感動は多分一生忘れないかもしれない。

息子からも煙たがられている所から見ても、一人の人間としてはダメ父さん寄りなんだろう。

それでもその息子を彼は溺愛しているからこその「決心」だった訳で、その勇ましい姿を目の当たりにした息子は父に対した気持ちが一気に変わる、「駄目だ!父さん!!」と。

あくまでも表向きの主役は念願のマンションを購入したのに、ものの数週間で文字通り奈落のマイホームと化し、意気消沈するもう一人のお父さんドンウォン。

助かった同僚、住人と共に、どうやって奈落の底から地上へと戻るのか、この辺は「人生」そのものにも掛けているとは思うのだが、人生と同じくそう易々と行くはずもなし。

幼い息子の救出まではドンウォンの見せ場となっているが、その後は正直誰も頼りにしていなかったマンスへとバトンタッチ。

裏の主役、すなわち生存者全員を地上へと還す真のヒーロー誕生の瞬間である。

コメディ色の強い中盤から一転、後半はマンスの活躍もあり涙、涙の展開に。

雰囲気ガラリと変えても、違った面白さを見せつけてくれるのだから大したもの。

ちょっと序盤もたつく感じの前置きが長いけれど、いきなり(これほんと予兆はあったけれど急に起きた)マンションが土砂と共に崩落していく描写から一時も目の離せない展開になってます。

クスッと笑えたり、ハラハラさせられたり、家族愛に胸が締め付けられたり、そしてマンスの一念発起に意外性から来る感動を抱いたりと、様々な感情に揺さぶられながら最後まで楽しめた。

決して完全なハッピーエンド(事の顛末)ではない辺りも、韓国映画らしさがあって良い。

ところでマンスの息子がお金を貯めているのがバレるが、何のために貯めてたのか結局分からず仕舞いだったなあ。

評価:★★★☆

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