著者 :雨穴(飛鳥新社刊), 綾野暁
出版社:一迅社
ストーリー概要:
オカルト専門ライターの「私」は知人から、とある家の間取り図を見せられた。そこには正体不明の「謎の空間」が存在するという。建築設計士・栗原に意見を求めると、彼はこの家のおかしなところを次々に指摘し始めた……!
現在、実写版が絶賛劇場公開中の雨穴氏によるデビュー作「変な家」。
元は小説である不動産ミステリーを漫画化させた作品です。
活字が苦手な自分にとっては小説の方はちょっと手が出せなかったのですが、最近漫画版が単行本となって発売されているのを知り、現状3巻まで出ているのを衝動買いし、一気に読みました。
とある売りに出されていた一軒家を購入しようとしていた男性が、その間取り図を見た時、一つの場所に謎の「空間」がある事を知り、それが何なのかをオカルト専門ライターの主人公「私」に調査依頼する所から話は始まります。
「私」は建築設計士である栗原さんに意見を聞いてみるのですが、彼から出た答えは意外なものだった!?
家から又別の家へ、そしてその次は持ち主であった家族の実家へと、それぞれが持つ謎の「空間」が1本の線を結び、多くの疑問と不可解な事件(バラバラ殺人)、そして幾多の憶測を呼び起こしていく。
下手なホラーよりも不気味なストーリーとなっていて、読んでいてゾクゾクしつつも急展開する所に面白さをかなり抱かされました。
まさか最初の売り物件から、ここまで話が膨らむとは思ってもいませんでしたね~。
調査するにつれ、家それぞれに関わった色々な人物の姿も浮き彫りにされていき、そのどれもが秘密を抱えているので、一体何をしていたのか、何を隠しているのかが気になり、展開から目が離せません。
実家も又、建物の構造が左右対称の異質さで、殆ど窓という窓が存在しないのも気味が悪過ぎるし、そこの一番廊下奥にある巨大な仏壇の前で人が死んだという明るみが更に謎を深めています。
3巻ではその実家にも秘密の部屋、通路等がある可能性が、という栗原さん自身のあくまでも憶測として口から出てきた所にて終わっているので(実際にそれが存在するのかは判明していない)、早く続きが読みたいです。
開かずの部屋の存在も気になりますしね。
漫画の構成としては、間取り図が大きな鍵となっている為、ページを使って主にそれを強調させ、読者にも見させて考えさせる作り。
そこから、こうじゃないか、ああじゃないかと、主人公達による考察が繰り広げられていくので、鋭い推測は果たして当たっているのか、固唾を呑んで見守る楽しさはかなりあります。
本当の真実にぶち当たった時には新たな恐怖が始まる予感もするので、そこからどういう話の転がり方をするのか、どういった幕閉じを披露してくれるのか、その辺も期待しております。
処で主人公の「私」て女性、男性どっち??(その性別不詳な部分もある意味不気味w)
第4巻は夏、発売予定。
2024年4月時点で3巻まで発売中!
ストーリー・・・5
キャラクター・・・・5
お色気・・・0
残酷さ・・・3
絵の上手さ・・・4
総合・・・5
(5段階評価での独自採点)
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