コンピュータで見ると、こんなに楽しい
テレビがコンピュータに取り込まれると、どんなことができるのだろうか。ざっと列挙してみよう。
(1)テレビを見ることができる
(2)テレビを録画できる
(3)録画したビデオを見ることができる
(4)テレビの1シーンを抜き出せる
(5)ビデオの編集ができる
このように、テレビとコンピュータの融合とは、テレビとビデオがコンピュータに入ったことを意味している。単にテレビの画面をコンピュータに映す以上のことができるのだ。
(1)は、もう当たり前と思うかもしれない。テレビとコンピュータが融合するのだから、できて当然だろう。
(2)は、従来なら、ビデオテープを用意して行っていた作業を、コンピュータだけで行えることを意味している。テープの代わりに番組を記録するのが、(大容量の)ハードディスクである。ハードディスクには容量の上限があるとはいえ、ビデオと違ってテープを用意する必要はない。
ハードディスクに記録すると、録画しながら再生するというビデオテープでは絶対にできなかった芸当を行えるようになる。たとえば、スポーツ番組を見ていて、トイレに行きたくなったようなときに、トイレに行っている間の時間をずらして、番組を見続けることができるのだ。
録画の予約も、ビデオとは一味違う。SONYのVAIOなどのiEPG(Internet Electronic Program Guide)に対応した機種では、インターネットTVガイドのホームページから行える。シャープ、日立などの製品では、テレビ朝日系列のデータ放送サービスADAMSが提供している「ADAMS-EPG」を採用している。
このインターネットTVガイドが、従来の新聞やTVガイド雑誌と違うところは、好きなタレントの名前などで検索ができるということだ。タレントの名前を登録しておけば、そのタレントが登場する番組をリストアップしてくれるという便利さは、紙の番組表とそれをもとにして録画するビデオにはなかったメリットだ。
(3)録画したビデオは、テープの時よりも自由に見ることができる。
従来のテープと最も違うのは、ハードディスクに記録すると、巻き戻しの作業が必要なくなることである。テープだと、巻き戻しに時間がかかるし、見たいところをすぐに探すことができない。ハードディスクでは、すぐに見られるし、くり返して何度見ても、テープが痛んでノイズが入ったりする心配がない。いつまででも鮮明な映像を見られるようになる。大好きな1シーンをくり返し見たりするのに、コンピュータのTVほど適したものはない。
(4)録画したビデオは、コマ送りをして決定的な1シーンを抜き出すこともできる。従来のビデオは、コマ送りといっても、TVの放送のコマ=フレーム単位でコマ送りすることはできなかった、あるいは非常に困難だった。コンピュータならそれも簡単だ。どれだけコマ送りをしても、テープが痛むようなことはないから、安心して好きなシーンを見つけ出せる。大好きなタレントの一瞬の笑顔や、野球選手がホームランを打った瞬間など、決定的な一瞬をいつでもいつまででも見られるというのは、ビデオではなかなか難しかった体験だ。もちろん、静止画にしても、ビデオのようにバーのノイズが入ったりすることもない。
(5)必要に応じてビデオを編集することも可能だ。ビデオの編集というと、かなりマニアックで上級者向けの機能のように思われるし、事実そうだった。従来のビデオテープでは、編集してダビングする度に、どんどん画質が劣化してしまったり、編集作業をするのに、でき上がりのビデオの何倍もの時間がかかったりしたのだ。だが、デジタルなら編集も簡単だ。あまり深入りすると大変ではあるが、これまでにはなかった手軽さで編集作業をできるのである。
(1)から(5)へと進むにしたがって、やや難易度がアップするとはいえ、従来のビデオやテレビではできなかった楽しみ方ができるようになるのが、コンピュータで見るテレビの楽しさだ。
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