年齢を72歳と書き込んで、この数字は自分のものなんだという思いで、手術に耐えられるか、体力を考えてと、医師は告げていた。そうか、どう見ても年齢相応にみなければいけない、自分では、わからないから、血液検査、尿検査、レントゲン、生理検査つまり心電図と受けて回って、その結果で方策を立てようということである。20数年に放置してきた肉腫を、これは判断がむずかしいことがあるので、切り取って見てからのこともありますから、その前に局部麻酔になるかどうか、そこから始める、というように言われた。医療の現場が流れ作業のように次々へとわたって、コンピュータに診察券からの情報が集約して、それはどこまでカードに記録するか、その向こうに番号で連鎖してすべての結果がひき出される、そのゆくままに、ただそのカードによってできた計算で支払い機にて済ませることになる。はじき出された製品のように、帰宅の道につく、どこで人間と機械が接触しているか、そこに介在するのは患者と誰になるか、 . . . 本文を読む