万葉集の時代を歌集編纂の時代に見ると、それは現在時となる、奈良時代であるが、巻軸歌の年次記載、題詞には、天平宝字3年となる、759年春正月一日に因幡國庁で国郡司らを饗宴したときの歌と見える。ほかに年号を記すもので、これより後はないから、万葉集の歌集の編纂された時期、この歌をを下限とすることとなる。在位期間として629年から764年までを見ると、おおよそ135年の間の歌に、伝承が加えられていることになるが、この時間をとらえて、いまから135年前のことを想起する。13代にわたることになるが、この時期には重祚があり、女性天皇がいた時代である。さて、令和のいまから、135年前になると平成、昭和、大正、そして明治の10年ごろ前後までのこと、世代感覚が近い、万世である。近代の画期となった出来事のことではある。 . . . 本文を読む
万葉集に注がある。歌集であるから歌の鑑賞にはかかわりがあることと、それにかかわりなく、注を書いていると見るから、万葉集を読むとわかることを、多くは解説にしている。これは歴史書などに照らし、万葉集の解明に用いることがわかる。題詞にふれているものは歌の鑑賞にふつうのこととなるが、左注は万葉集編纂時の注書きであるので、ここを読むことで古典文学の真実を知ることがある。万葉集の編集、編纂に意味を持つ。万葉集研究では明らかなこと、明らかでないことがこの左注によって示されるので、ここから議論されることがある。 . . . 本文を読む