語と意味について、意味を概念と説明する。概念的意味と言ったりする。意味の三角形では象徴と思考と指示物がおかれたので、その思考、思想 Thoughts に、概念または意味作用を見ようとする。言語記号に、記号表現、シニフィアンと、それが表す対象である記号内容、シニフィエは、概念とみられ、心象ともいう。わたしたちが概念形成をして言語を使いながら名辞をとらえるようになるので、言葉で表される概括的なとらえ方やそれを細かくする分け方など、言語に意味として内容を持つことになる。
言語に概念を関係させてそれを意味とすることが行われると、上位語、下位語というような意義説明をするようになる、上位概念、下位概念はそれなりに良いとして、言語の上位とか下位とかはその分類名称からしておかしなものである。概念の外延と内包の関係を形式論理学でとらえ、包括概念という見方や、類概念はあるとして、語の意味を概念作用にするむずかしさがある。
世界大百科事典 第2版の解説
がいねん【概念】
概念に相当する現代西欧語(英語,フランス語concept,ドイツ語Begriff)の語源が〈包括する〉〈把握する〉等を意味することからも明らかなように,概念とは,個々の対象,いわゆる個物(個体)よりも複数の個物を包括的,概括的に捕捉する,人間,広くは生物体の対象把握の一根本的形式とその成果をいう。観念,思念,想念等も同類語と考えられ,また,たとえば〈犬〉という概念が単数,複数の犬の心象,イメージを想い起こさせることなどもあって,概念は心象,イメージも合わせて意味し,あるいはそれらと同一視されることがまれでない。
デジタル大辞泉の解説
がい‐ねん 【概念】
1 物事の概括的な意味内容。「―をつかむ」「文学という―から外れる」
2 《 concept 》形式論理学で、事物の本質をとらえる思考の形式。個々に共通な特徴が抽象によって抽出され、それ以外の性質は捨象されて構成される。内包と外延をもち、言語によって表される。
大辞林 第三版の解説
がいねん【概念】
①ある事物の概括的で大まかな意味内容。
②〘哲〙 〔英 concept; ドイツ Begriff〕 事物が思考によって捉えられたり表現される時の思考内容や表象,またその言語表現(名辞)の意味内容。
㋐形式論理学では,個々の事物の抽象によって把握される一般的性質を指し,内包(意味内容)と外延(事物の集合)から構成される。
㋑経験論・心理学では,経験されたさまざまな観念内容を抽象化して概括する表象。
㋒合理論・観念論では,人間の経験から独立した概念(先天的概念・イデアなど)の存在を認め,これによって初めて個別的経験も成り立つとする。 〔西周(にしあまね)「致知啓蒙」(1874年)にドイツ語 Begriff の訳語として載る〕
上位語とは、ある言葉、単語の上位概念の語を言う。馬に対する哺乳類やアルファベットに対する文字などの類。
下位語とは、ある言葉、単語の下位概念の語を言う。哺乳類に対する馬や、文字に対するアルファベットなどの類。
デジタル大辞泉の解説
じょうい‐がいねん 〔ジヤウヰ‐〕 【上位概念】
論理学で、二つの概念が外延に関して包括・被包括の関係にあるとき、包括するほうの概念。例えば、動物や植物に対する生物。高級概念。⇔下位概念。
大辞林 第三版の解説
じょういがいねん【上位概念】
〘論〙 二つの概念が包括・被包括の関係にある時,包括する方の概念。例えば「男」や「女」に対する「人間」。高級概念。類概念。 ↔ 下位概念
世界大百科事典内の上位概念の言及
【概念】より
…アリストテレスに由来する,現代以前の伝統的形式論理学では概念に対してさまざまな分類が行われてきた。たとえば,〈生物〉〈動物〉〈犬〉等のように概括度,包括度の高低による上位概念と下位概念(類概念と種概念)の区別,肯定概念と否定概念の区別等がそれである。これらのうちには下位集合,補集合等の用語で新たに規定し直されるものもあるが,分類の意義や根拠の明確でないもの,錯誤を招く恐れのあるものもある。