古辞書に何があるか。字書とあった。字引でもあった。それが辞典になって、音が似て、事典とも使うものがある。古辞書、であれば、それは、古辞書の研究、と言うタイトルで、川瀬一馬著による、あるいは、古辞書索引叢刊、島田友啓編、などがあり、古辞書と呼ぶところの資料がある。古辞書という語をもって、日本最古の辞書、奈良時代から江戸期の、節用集あたりまでを指して呼ぶ。白川静の字通に、凡例として、 >わが国の古辞書、〔新撰字鏡〕〔和名抄〕〔類聚名義抄〕〔字鏡〕〔音訓立〕〔竜谷大学本字鏡集〕からとり、そのうち初期訓義の代表として〔名義抄〕、その後の訓義の増加のあるものは、〔字鏡〕以下の書によって補入した。 と記す。いずれ、中国に辞書があり、それを招来しての学びがあった。そこには漢字をとらえて、訓義を示すことが行われた。
そのひとつに訓詁学は漢語について意味を捉えて、それわたしたちの祖先のことばにする、中国語を日本語に置き換えることであった。
世界大百科事典 第2版の解説
くんこがく【訓詁学 Xùn gǔ xué】
(1)文字どおりには,訓詁すなわち文字の意味を明らかにすることを目的とする中国の学問の一分科ということだが,後述するように特別のニュアンスをもっていわれることもある。文字の意味を明らかにするといっても,ある漢字の意味を,他の漢字に置き換えるという形で説明することが多く,日本でいう漢字の〈訓(くん)〉と根本は同じことである。しかし,内包,外延すべてまったく同じことばが,一言語の中に二つ以上存在するはずはないから,置き換え方式による意味の説明には当然有効性に限度があり,多くの場合それは,この文脈ではA字をB字に置き換えても,それを含む表現の全体が伝えようとするものに大差が出ないという程度のものであるにすぎない。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
訓詁学
くんこがく
Xun-gu-xue
中国古典の文字や章句の意味を解釈する学問。『爾雅』や『説文解字』に始り,後漢の馬融 (ばゆう) ,鄭玄 (じょうげん) らが代表的学者で,経書に注釈をつけた。その後も経典の注疏学として行われ,清朝考証学の源流をなした。
大辞林 第三版の解説
くんこがく【訓詁学】
①古典を解釈するために,主として文字の意味を研究する学問。
②中国,漢代に流行し,唐代に集成された,古典解釈のための学問。「爾雅(じが)」の研究を先駆とし,「説文(せつもん)解字」「五経正義」などの業績を生む。宋(そう)以後におこった,理義の究明を主とする思弁的な学問と区別される。
③文章全体の意義内容を考えず,部分的な字句の注釈にとらわれた学問。
辞典 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/辞典
辞典(じてん)とは、言葉や物事、漢字などを集め、その品詞・意味・背景(語源等)・使用法(用例)・派生語・等を解説した書籍。辞書・字引とも言う。 『辞典』『辞書』という単語は、主に言葉について書かれた辞典(国語辞典、英和辞典、漢和辞典など)について ...
>辞典(じてん)とは、言葉や物事、漢字などを集め、その品詞・意味・背景(語源等)・使用法(用例)・派生語・等を解説した書籍。辞書・字引とも言う。
『辞典』『辞書』という単語は、主に言葉について書かれた辞典(国語辞典、英和辞典、漢和辞典など)について使い、文字について書かれた辞典を『字典』、事物に就いて詳細に書かれた辞典(百科事典など)については『事典』という表記を用いる。
>中国語を表記する文字は漢字であり、意味の違いに応じて異なる文字が使われる。このため、中国で言葉を集めたり解説することは、漢字を集め、その字義を解説することで代替された。漢字を字形によって配当し、字義や字音、字源などをまとめた書物を字書(じしょ)と呼んだ。『説文解字』『玉篇』などがこれに相当する。これは日本の漢和辞典の原型である。字書は『康熙字典』以降、字典(じてん)と呼ばれることが多くなった。一方、字義によって漢字を集める書物もあり、一種の類語辞典であるが、これには『爾雅』『釈名』『方言』などがある。現在、中国ではこれらを訓詁書(くんこしょ)と呼んでいるが、日本では河野六郎が義書(ぎしょ)と呼ぶことを提唱している。また、音韻によって漢字を分類し、その順によって並べた書物を韻書(いんしょ)と呼ぶ。これには『切韻』『広韻』『集韻』『中原音韻』などがある。
以上のように伝統的な中国の学問では漢字1字の字義を扱うものしかなく、現代的にいえば、形態素の意味を扱う辞典しかなかった。2字以上で表される単語の意味が扱われるようになるのは近代以降であり、現在の中国で語義を扱うものは詞典(あるいは辞典)と呼んでいる。
伝統学問では類語辞典的・百科事典的なものが作られた。これを類書という。もっぱら自然界や人間界の事物や現象に関する語に関して古今のさまざまな書物から用例を集めて引用したものである。後には書物がまるごと分類され、事典よりも叢書的な様相を呈したものもある。『芸文類聚』『太平御覧』『永楽大典』『古今図書集成』といったものが挙げられる。漢詩を作るのに利用された『佩文韻府』などは日本の漢和辞典で熟語の典故の記載などに利用された。
そのひとつに訓詁学は漢語について意味を捉えて、それわたしたちの祖先のことばにする、中国語を日本語に置き換えることであった。
世界大百科事典 第2版の解説
くんこがく【訓詁学 Xùn gǔ xué】
(1)文字どおりには,訓詁すなわち文字の意味を明らかにすることを目的とする中国の学問の一分科ということだが,後述するように特別のニュアンスをもっていわれることもある。文字の意味を明らかにするといっても,ある漢字の意味を,他の漢字に置き換えるという形で説明することが多く,日本でいう漢字の〈訓(くん)〉と根本は同じことである。しかし,内包,外延すべてまったく同じことばが,一言語の中に二つ以上存在するはずはないから,置き換え方式による意味の説明には当然有効性に限度があり,多くの場合それは,この文脈ではA字をB字に置き換えても,それを含む表現の全体が伝えようとするものに大差が出ないという程度のものであるにすぎない。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
訓詁学
くんこがく
Xun-gu-xue
中国古典の文字や章句の意味を解釈する学問。『爾雅』や『説文解字』に始り,後漢の馬融 (ばゆう) ,鄭玄 (じょうげん) らが代表的学者で,経書に注釈をつけた。その後も経典の注疏学として行われ,清朝考証学の源流をなした。
大辞林 第三版の解説
くんこがく【訓詁学】
①古典を解釈するために,主として文字の意味を研究する学問。
②中国,漢代に流行し,唐代に集成された,古典解釈のための学問。「爾雅(じが)」の研究を先駆とし,「説文(せつもん)解字」「五経正義」などの業績を生む。宋(そう)以後におこった,理義の究明を主とする思弁的な学問と区別される。
③文章全体の意義内容を考えず,部分的な字句の注釈にとらわれた学問。
辞典 - Wikipedia
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辞典(じてん)とは、言葉や物事、漢字などを集め、その品詞・意味・背景(語源等)・使用法(用例)・派生語・等を解説した書籍。辞書・字引とも言う。 『辞典』『辞書』という単語は、主に言葉について書かれた辞典(国語辞典、英和辞典、漢和辞典など)について ...
>辞典(じてん)とは、言葉や物事、漢字などを集め、その品詞・意味・背景(語源等)・使用法(用例)・派生語・等を解説した書籍。辞書・字引とも言う。
『辞典』『辞書』という単語は、主に言葉について書かれた辞典(国語辞典、英和辞典、漢和辞典など)について使い、文字について書かれた辞典を『字典』、事物に就いて詳細に書かれた辞典(百科事典など)については『事典』という表記を用いる。
>中国語を表記する文字は漢字であり、意味の違いに応じて異なる文字が使われる。このため、中国で言葉を集めたり解説することは、漢字を集め、その字義を解説することで代替された。漢字を字形によって配当し、字義や字音、字源などをまとめた書物を字書(じしょ)と呼んだ。『説文解字』『玉篇』などがこれに相当する。これは日本の漢和辞典の原型である。字書は『康熙字典』以降、字典(じてん)と呼ばれることが多くなった。一方、字義によって漢字を集める書物もあり、一種の類語辞典であるが、これには『爾雅』『釈名』『方言』などがある。現在、中国ではこれらを訓詁書(くんこしょ)と呼んでいるが、日本では河野六郎が義書(ぎしょ)と呼ぶことを提唱している。また、音韻によって漢字を分類し、その順によって並べた書物を韻書(いんしょ)と呼ぶ。これには『切韻』『広韻』『集韻』『中原音韻』などがある。
以上のように伝統的な中国の学問では漢字1字の字義を扱うものしかなく、現代的にいえば、形態素の意味を扱う辞典しかなかった。2字以上で表される単語の意味が扱われるようになるのは近代以降であり、現在の中国で語義を扱うものは詞典(あるいは辞典)と呼んでいる。
伝統学問では類語辞典的・百科事典的なものが作られた。これを類書という。もっぱら自然界や人間界の事物や現象に関する語に関して古今のさまざまな書物から用例を集めて引用したものである。後には書物がまるごと分類され、事典よりも叢書的な様相を呈したものもある。『芸文類聚』『太平御覧』『永楽大典』『古今図書集成』といったものが挙げられる。漢詩を作るのに利用された『佩文韻府』などは日本の漢和辞典で熟語の典故の記載などに利用された。