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言語記号

2016-12-17 | 国語と日本語
言語記号は所期と能記で表された象徴のことである。言語を記号とすること、まして象徴であるとするのは翻訳概念を通してなおなじみにくい。シニフィアンsignifiant、シニフィエsignifié とすればわかり良いところもあるのだろうが、それをまた概念と聴覚映像として見て、言語記号の模型図を思い合わせる。それもまた講義録のことであるゆえに後から追記された図があることだと知ることになるが、そのモデルには、書き込みのあるなしにかかわらず、いくつか解釈があるものでもない。と思いツ、翻訳された版に、言語記号の書記に漢字を載せているのを鮮明にして記憶したことがある。明らかに「🌲」に対して、その位置に「樹」があって、それを /ki/ とする。ソシュールは漢字の文字に、このように記号ではないものを感じ取っていたとその言語記号のモデルに納得したものであった。そのモデルをもって講義がなされたか、聞き手たちによる書き加えであったか、取りざたされるところ、その図をもっての理解は正しいと思わざるを得ない。文字の一つが中国では言葉であるから、これを日本語にすると同じであっても、さらに熟語がこの説明に必要となることになる。日本を思い浮かべれば、そこには、にっぽん にほん として現れるのであるから、二字熟語の熟合は日本語の言葉なのである。音声言語をとらえれば、二ホン国 ニッポン国 に呼び起こす概念は、日本国であって、ほかの何物でもない。漢字が言葉としてある文字が対応すればそこにはわかりよいし、漢字がなければ、仮名文字となるかどうかである。ジャパン Japan と、すでに発音をもって可能にする外国語が日本語にあって、これは概念化したものを置けば済むことであるから、文字言語と音声言語の言語記号を巧みに使い分けている。


大辞林 第三版の解説
のうき【能記】

>〔ソシュールの言語理論を翻訳する際に小林英夫の用いた語〕
シニフィアン(フランス signifiant)の訳語。 → 所記

>〔ソシュールの言語理論を翻訳する際に小林英夫の用いた語〕 「シニフィエ(フランス signifié)」の訳語。 → 能記

デジタル大辞泉の解説
のう‐き【能記】

《〈フランス〉signifiant》ソシュールの用語。言語記号の音声面。所記(しょき)とともに言語記号を構成する要素。シニフィアン。

ソシュールの用語。能記(のうき)とともに言語記号を構成する要素。言語記号によって意味される内容。シニフィエ。→能記


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