忖度を説明して、
>忖度はもともと詩経に出て来る言葉だそうだ。他人有心予忖度之.タニンココロアリワレコレヲソンタクス
他人の心を、予(われ)は之を善く推測する(詩、小雅、巧言篇)もともとの意味に上下関係はない。
というように、流行語の解説に流行している解釈である。
出典を示し用例をあげる日本国語大辞典の語義に見え、その例示をするものが一般である。
したがって、この語をどう用いてきたかを知る手掛かりは、中国文献によるか、近代以降の日本語となった使い方を、さらに時代を下げて現代の流行語大賞になるほどの、流行語の現象としての用例を求めることで、さらに解説がある。
その例には、もとのわかりよい語の使いように、現代で違った解釈が加えられることが、2017流行語大賞の理由説明にも表れている。
政治家またそれにかかわったことによって現れる言葉遣いで、役所の曖昧言葉の例になっている。
さて、なぜそうであるかを中国出典の語の例に基づけば、気づかれることなのだが、そこに触れることがない。
先の説明にも、引用はしているが、その解釈を示すものではない。
巧言にある、他の人に心があれば、私はそれを推しはかる、という意味内容で、こころとは、よこしまな思いであるから、それを見逃さなかった王であった。
「巧言」という詩は、周の幽王、紀元前781年–紀元前771年頃在位、そしる詩である。
6章、その4章目に「忖度」が見える。
https://blogs.yahoo.co.jp/raccoon21jp/40649877.html
2203.詩経(180)小雅《巧言》
奕奕寢廟、君子作之。
秩秩大猷、聖人莫之。
他人有心、予忖度之。
躍躍毚兔、遇犬獲之。
そして孟子に、これを引く。古い用例を指摘して、孟子の出典を次に言う。
http://id.fnshr.info/2017/03/30/sontaku/
「忖度」の最も古い用例
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概要
『詩経』の「巧言」という詩に、「忖度」という言葉が載っている。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/knowledge/classic/moushi001.html
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孟子、梁恵王
王說曰、「詩云、『他人有心、予忖度之』、夫子之謂也。夫我乃行之、反而求之、不得吾心。夫子言之、於我心有戚戚焉。此心之所以合於王者、何也。」
王説びて(よろこびて)曰く、詩に他人に心あり、予(われ)これを忖り度ると云えるは、夫子(ふうし)の謂(いい)なるかな。我乃ちこれを行い、反みて(かえりみて)これを求むれども、吾が心を得ず。夫子これを言いて、我が心に於いて戚々る(おもいあたる)ものあり。この心の王たるに合る(たる)所以(ゆえん)は何ぞや。
http://www.kokin.rr-livelife.net/classic/classic_oriental/classic_oriental_177.html
>
王の説よろこびて、曰く、
詩に云う、他人に心
予われ之を忖度そんたくすと。
夫子の謂ひなり。
夫れ我れ乃ち之を行ひ、反かへりて之を求め、吾が心を得ず。
夫子之を言ふ、我が心に於いて戚戚焉せきせきえんたる有り。
此の心の王に合する所以は、何ぞや、と。
これを聞いた宣王は喜んで云った。
詩経の巧言篇に云う。
他人に心有りて、吾れ之を推し量らんと。
まさに先生の事を詠っているようである。
自分で行ったことであるに、牛を羊に代えた所以を思案するも一向に合点がゆかなかったが、先生の言葉によりてようやく納得することができた。
しかしながら、この忍びざる心が王者と為るに相応しき所以は何であろうか、と。
この出典をもとにすれば、忖度の語義は王のものであり、王が持つ、忍びざる心である。
結論を言えば、現代風に上下関係を用いて言うなら、部下が上司を忖度するものではない。
上司が部下のこころを見抜く謂いである。その心はまた、よこしまであるから、そこに政治があるのであって、その用法に従って考えるべきであるから、いま流行することばの意味内容は逆転してしまっている。
http://nihongokichijoji.blog.so-net.ne.jp/2016-05-30
日本 日本語
日本と日本文化に関する話
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忖度(そんたく) [日本語教育]
忖度はもともと詩経に出て来る言葉だそうだ。他人有心予忖度之.タニンココロアリワレコレヲソンタクス
他人の心を、予(われ)は之を善く推測する(詩、小雅、巧言篇)もともとの意味に上下関係はない。というように、流行語の解説に流行している解釈である。
日本国語大辞典
そん‐たく 【忖度】
解説・用例
〔名〕
(「忖」も「度」もはかる意)
他人の心中やその考えなどを推しはかること。推量。推測。推察。
*菅家後集〔903頃〕叙意一百韻「舂韲由造化忖度委陶甄」
*東京新繁昌記〔1874〜76〕〈服部誠一〉初・人力車「盖し人の行く所を忖度(〈注〉ハカル)して而して何れの帰りと唱ふ者は」
*文明論之概略〔1875〕〈福沢諭吉〉二・四「他人の心を忖度す可らざるは固より論を俟たず」
*浮雲〔1887〜89〕〈二葉亭四迷〉一・一一「文三の感情、思想を忖度し得ないのも勿論の事では有るが」
*近代絵画〔1954〜58〕〈小林秀雄〉ピカソ「ピカソの真意を忖度(ソンタク)しようとすると」
*詩経‐小雅・巧言「他人有心、予忖度之」
6章、その4章目に「忖度」が見える。
https://blogs.yahoo.co.jp/raccoon21jp/40649877.html
2203.詩経(180)小雅《巧言》
奕奕寢廟、君子作之。
秩秩大猷、聖人莫之。
他人有心、予忖度之。
躍躍毚兔、遇犬獲之。