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日本語語彙論 大和言葉

2013-11-05 | 語と語彙
大和言葉は、平仮名語とは言わない。デジタル大辞泉に、片仮名について項目を立てて、《多く「カタカナ語」と書く》片仮名で表記される語、主に外来語を指すが、和製英語についてもいうと見える。しかし平仮名語はない。その大和言葉とはなにか。やまとことのは といったのは、雅語である。和歌のいいでもある。外国語を意識すると、大和言葉であるが、和語と同じとする。わぎょ ともいうが、語の呉音である。

日本大百科全書(ニッポニカ)
和語  わご
漢語・外来語に対し、日本語本来の語。「やまとことば」ともいう。本来、第一音節には濁音およびラリルレロが来ない。ダク(抱)はイダク等、バラ(薔薇)はウバラ等から、中古以後転成した語形である。和語は、「木(き)」「血(ち)」「谷(たに)」「聞(き)く」「見(み)る」など1、2音節語が多く、複合によって語が増加する。複合語は和語と和語または接頭語・接尾語とからなり、下の語の頭音が濁音化することがある(例、谷〈たに〉川〈がわ〉)。また、上の語の末尾の音が変わることがある(例、酒〈さけ〉→酒〈さか〉屋)。和語は漢語と複合することがある。漢語が上のもの(例、悪玉〈あくだま〉、縁組〈えんぐみ〉等)を重箱読(じゆうばこよみ)、和語が上のもの(例、相客〈あいきゃく〉、初陣〈ういじん〉等)を湯桶読(ゆとうよみ)という。外来語との複合もある(例、「消しゴム」「マッチ箱」等)。和語には活用のない語(体言・副詞・助詞等)と、活用のある語(動詞・形容詞・助動詞等)とがあるが、漢語・外来語はおもに名詞・形容動詞語幹等、活用のない語に限られ、和語の「する」「だ」(文語は「す」「なり」「たり」)をつけて初めて述語・修飾語となりうる。活用語尾・助動詞・助詞はすべて和語であり、文法機能の中枢は和語が独占し、この性格は古代から現代まで一貫している。和語の異なり語数は平安時代には和文で約9割、漢文訓読文で4割以下であった。中世末以来欧州諸語が、明治初期に漢語が増加し、近時は英語の外来語が急増しているが、和語が文法機能を堅持している点はすこしも変わらない。[築島 裕]


デジタル大辞泉
ひら‐がな 【平仮名】
仮名の一。漢字の草体から作られた草仮名(そうがな)をさらに簡略化したもの。平安初期から中期にかけて、主に女性が歌や手紙を記すのに盛んに用いたことから発達した。女手(おんなで)。かんな。かな。→片仮名 →真名(まな・まんな)

[補説]字体は種々あるが、明治33年(1900)の小学校施行令以来は一般に用いる48字(「いろは」47字と「ん」)以外を変体仮名として区別するようになった。


日本国語大辞典
ひら‐がな 【平仮名】
〔名〕
(1)(「ひら」は、角のない、通俗平易の意。「かな」は「かりな」の転)平安初期に成立した日本独特の音節文字の一つ。現代では、いろは四十七字に「ん」を加えたものを一組とする。それぞれの字源は、万葉がなに用いた漢字で、その草書体をいっそう流動的に簡素化したもの。古くは、女子の書く文字として「おんなで(女手)」とよんだ。字源や草略の程度などによって一音節に種々の字体があったが、今日では一種に統一されており、他を変体がなという。草仮名(そうがな)。女文字。←→片仮名。
*日葡辞書〔1603~04〕「Firagana (ヒラガナ)〈訳〉日本の文字の一種」
*和英語林集成(初版)〔1867〕「Hirakana ヒラカナ 平仮名」
*読書入門〔1886〕〈文部省〉「片仮名は、概ね直線より成りて、学び易く、平仮名は、悉く曲線より成りて、写し難し」
(2)(漢字のむずかしいことに対して)わかりやすいこと。率直な、または、平易な表現。
*洒落本・古今三通伝〔1782〕「魯国のやぢおの曰(の給ひ)しを平がなにかけば」
*洒落本・金錦三調伝〔1783〕「いやならいやとひらかなで」



日本国語大辞典
やまと‐ことのは 【大和言葉】
〔名〕
「やまとことば(大和言葉)(3)」に同じ。
*源氏〔1001~14頃〕桐壺「伊勢・貫之に詠ませ給へるやまとことの葉をも、もろこしの歌をも」
*新古今〔1205〕仮名序「みづからさだめ、てづからみがけることは〈略〉わがくにやまとことのははじまりてのち、くれたけのよよにかかるためしなんなかりける」
*玉葉〔1312〕雑五・二四四八「あきつ島ひとの心を種として遠くつたへし大和ことのは〈藤原為家〉」


日本国語大辞典
やまと‐ことば 【大和言葉・大和詞】
〔名〕
(1)外国語に対して、日本の国語である日本語。その語彙には漢語などの外来の要素も含まれる。
*信心録(ヒイデスの導師)〔1592〕序・一「コレ ヲ ニッポン ノ コトバニ ヤワラグ ベキ ヨシ ヲウセ ツケラルル ニ ヨッテ、モダシガタウ シテ、マタ コレ ヲYamato cotoba (ヤマト コトバ) ニ ヒルガエシ、ハン ニ キザム モノ ナリ」
(2)「わご(和語)(2)」に同じ。
*愚管抄〔1220〕二・今上「仮名にかくばかりにては倭と詞の本体にて文字にえかからず〈略〉はたと・むずと・しゃくと・どうと、などいふことばども也。是こそ此やまとことばの本体にてはあれ。此詞どもの心をば人皆是をしれり」
*ロドリゲス日本大文典〔1604~08〕「ワコ、セワ、Yamato cotoba (ヤマト コトバ)、ヤワラゲ、カナノ コトバ」
(3)和歌。やまとうた。また、主として和歌に用いられる雅語。
*源氏〔1001~14頃〕東屋「やまとことばだにつきなく習ひにければ」
*撰集抄〔1256〕八・三二「かかるゆかしき人の歌のかたはらに、つたなき身にして又ことばも姿もたらはぬやまとことばをかきそへらん事」
*十六夜日記〔1279~82頃〕「永かれと朝夕祈る君が世をやまとこと葉にけふぞのべつる」
*菟玖波集〔1356〕雑体「常に聞く大和言葉のかはらぬは 久方の空足引の山〈よみ人しらず〉」
*浄瑠璃・浄瑠璃十二段〔1615~44頃〕下・一〇「御ざうしはきこしめし、やまとことばになぞらへておほせけるこそおもしろけれ」
*松山集〔江戸中〕雑「そのままに神代のすがた伝へこし大和言葉の道ぞただしき」
(4)女房詞。
*女重宝記(元祿五年)〔1692〕一・五「大和詞(ヤマトコトば)〈略〉右は御所方のことばづかひなれども、地下(ぢげ)にも用ゆる事多し」
*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕三・下「御奉公にお上り遊ばすと、夫こそ最う大和詞(ヤマトコトバ)でお人柄におなり遊ばすだ」
【補注】
(4)で例とした「女重宝記(元祿五年)‐五・九」には「新やまと言葉(コトバ)并に物のから名」の項があって、「一、あきつ嶋とは 日本のな也。一、日のもととはわがてうの事也。一、あづまとはひがしの国也〈略〉一、むばたまとは夜をいふ」と合計一八〇余りの語句を取り上げて説明しているが、これらは(4)の挙例一之巻の「大和詞」とは異なり、多くは歌語で、(3)に当たる。


わ‐ご 【和語・倭語】
〔名〕
(1)外国語に対して、日本の国語である日本語。その語彙には漢語などの外来の要素も含まれる。
*霊異記〔810~824〕上・二八「吾が聖朝の人、道照法師〈略〉新羅に至り、其の山中に有りて法花経を講ず。時に虎衆の中に人有り、倭語を以て問を挙げたり」
*野叟独語〔1807〕「才気有人を御撰みありて、先彼領地カミシャツカ迄被遣、彼地は和語も通ずる者有るよしなれば、荒立ざる様に対話問答し、能々其情を聞糺し」
*西洋聞見録〔1869~71〕〈村田文夫〉後・四「洋人、和語を習ふに大に苦み、邦人の洋語を解するが如く語り能く文を作るもの未だ嘗て之あらず」
(2)漢語や外来語など外来の語に対して、日本語本来のものと考えられる語。「ひと(人)」「われ(我)」「ある(有)」「ゆたか(豊)」など。固有の日本語。やまとことば。
*神皇正統記〔1339~43〕上・神武「人皇第一代、神日本磐余彦天皇と申。後に神武となづけたてまつる。〈略〉第二代、綏靖天皇〈これより和語の尊号をばのせず〉神武第二の御子」
*ロドリゲス日本大文典〔1604~08〕「Vago (ワゴ)、セワ、ヤマト コトバ、ヤワラゲ、カナノ コトバ」
*仮名草子・都風俗鑑〔1681〕四・序「もとより筆まめなる好士(すき)者にて、咄(はなし)を集ては人におかしがらせ、さうし物語を書ては倭語(ワゴ)を工(たくみ)にし」
*白石先生手簡〔1725頃〕五「靭負と申す事は漢字にて此二字を取り用ひ候は、漢字伝来以後の事勿論に候。ユキエと申す倭語は、本朝官号のこれほど久しきものはすくなく候」
*音訓新聞字引〔1876〕〈萩原乙彦〉「和語 ヤマトコトバ ヤサシキ」
(3)和歌。やまとうた。
*明衡往来〔11C中か〕中本「聊慰愁緒耳。就中倭語雖無其能、稟外戚之風所嗜思給也」
*名語記〔1275〕五「問、三十一字に旨趣をいひのへたるをうたとなつく、如何。答、うたは哥也。〈略〉漢朝には五言七言の詩頌をうたと申せる歟。たたおもふ事をいひのふるはみなうたなるへし。我国には、和語なれは卅一字、若は長哥といふものある歟」



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