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言志後録 心眼

2013-11-05 | 語り
言志後録 138
学問は自ら心に会得することが大切である。しかるに、世の中の人々はいたずらに目で文字で書いた書物だけを読むから、文字に拘束されて、紙背にある物事の道理を明らかにすることができない。心眼を開いて、字で書かれていない書物、すなわち実社会の色々な事柄を心読して修養に資するようにしなければいけない。そのようにすれば、深く自分の心に会得する所があるだろう。     329頁

心眼を開くとはどうすることか、物事の真の姿をはっきり見分ける心の働き、というから、鋭い心の働きはわかるにしても、心の目であると言うのは、どういう目か。

しんげん とも読み、これは仏教語とある。

日本国語大辞典
しん‐がん 【心眼】
〔名〕
物事の真の姿をはっきり見分ける心の働き。しんげん。
*古活字二巻本日本書紀抄〔16C前〕一「天地に有程に、文にかかわっては成まい、心眼開けいではしれまいぞ」
*日葡辞書〔1603~04〕「Xingan (シンガン)。または、シンゲン。ココロノ マナコ」
*思出の記〔1900~01〕〈徳富蘆花〉六・二「悟(さとり)を開くの新天地を見るのと云ふのは、此発火の瞬間に心眼の閉ぢてまた開く一刹那の働(はたらき)を云ふのであらふ」
*吾輩は猫である〔1905~06〕〈夏目漱石〉九「彼の腹の中の行きさつが手にとる様に吾輩の心眼に映ずる」
*岡本の手帳〔1906〕〈国木田独歩〉「利刀を以て肉皮をそぎ取るが如くに痛快に此心眼の被覆を去りたし」
*画継‐九・雑説「元章心眼高妙、而立論有過中処」


しん‐げん 【心眼】
〔名〕
(「げん」は「眼」の呉音)
(1)仏語。禅定三昧や智慧の力によって、肉眼では見られない物や一切の事理を見抜く働き。
*往生要集〔984~985〕大文六「仏言、想念阿彌陀仏、真金色身、光明徹照、端正無比、在〓心眼前〓」
*正法眼蔵〔1231~53〕古鏡「心と眼と皆相似といふは、心は心に相似なり、眼は眼に相似なり。相似は心眼なり、たとへば心眼各相似といはんがごとし」
*地蔵菩薩霊験記〔16C後〕九・一〇「故に今世能く心眼(シンゲン)の明となりて身を現じて利益し玉へり」
*観無量寿経「爾時大王雖在幽閉、心眼無障遙見世尊」
(2)物事の真の姿を識別する心の働き。しんがん。
*拾玉得花〔1428〕「上三花を面白やと見んは 上子の見風(けんぷう)也。〈略〉為手(して)も見所(けんしょ)も、その分その分の心眼(シンゲン)也」
*日葡辞書〔1603~04〕「シンガン。または、xinguen (シンゲン)。ココロノ マナコ〈訳〉内的な眼」


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