ーー2月13日のヤフー・ニュースよりーー
≪ 政府は、来年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化させる際、カードの取得が難しい高齢者や紛失した人などが保険診療を受けられるよう、必要な情報が記載された「資格確認書」を発行する方針。≫
マイナンバーカードを普及させるために健康保険証を廃止するという「強硬手段」に出たのだろうが、それでもカードを取得しない人には「資格確認書」を発行するという。一体何を考えているのだろう? それなら、わざわざ新しい「資格確認書」を発行するという手間をかけなくとも、現在機能している健康保険証をそのまま使用し続ければよいではないか。健康保険証を廃止しても、それに代わってマイナカードと「資格確認書」の二本立てで医療保険システムを動かすのであれば、効率が良くなるわけがあるはずがない。政府は一体何を考えているのだろう? 頭の良い日本の官僚なら、この政策がいかにトンチンカンであるかを分かっているはずだ。おそらく政治家の思考能力に問題があるのだと思う。
私は個人的にはマイナンバー制度は必要であると考えている。行政の事務処理はもっと効率化されねばならないが、その点において日本は他の先進国に比べてかなり遅れている。しかしそのシステムを導入するための前提として、個人情報のセキュリティが最大限保証されねばならない。その点において現在の政府は信用できないのである。もっとマイナンバー制度の必要性と安全性について説明すべきであるのに、全然説明できていない。情報のセキュリティに関して、どのように具体的に対処するのかをもっと積極的に説明すべきである。万一情報が漏れた場合、そのルートをトレースすることが出来なくてはならない。行政事務に関わる全ての人々の良心に頼るわけにはいかない。最低でも、自分の情報を誰が参照したかを知ることが出来るような仕組みは備えておく必要がある。今のところ、その辺の説明が曖昧なままだ。
日本の政治家は、自分の思考能力に欠陥があるにもかかわらず、上意下達の政策を進めたがる輩が多いような気がする。とにかく「資格確認書」には開いた口が塞がらない。日本の没落が見えたという気がしてならない。